アジア・中東・アフリカで活動する国際協力NGOです。
  • JVC facebook
  • JVC twitter
  • イベントメルマガ配信中
  • 文字サイズ:大きく
  • 文字サイズ:中くらいに
  • 文字サイズ:小さく
JVC English website
  • HOME >
  • イベント報告 >
  • 行ってきました~! タイ・スタディーツアー「NGO的生き方のススメ」

行ってきました~! タイ・スタディーツアー「NGO的生き方のススメ」

タイ事業担当 宮田 敬子
2011年4月 6日 更新

今回のスタディーツアーは、一般募集としては私がJVCに入って初めて担当するものだった。参加者は集まるんだろうか...と不安だったが、何とか実施できる人数が集まり、2月17日から出発。タイのインターン生だった私の「こうしたらツアーは面白いかも」という要素がぎゅっと詰まったスタディーツアー。

東京、新潟、京都、大阪など全国各地から個性的なメンバーが集まり、バンコクのスワンナプーム空港に集合。さて、これからどんなツアーが始まるのだろう...。

2月18日 旅のはじまり 国際協力に関わる意味を考える

カンチャイさん(左)を訪問カンチャイさん(左)を訪問

バンコクからコンケーンへ車で移動。5時間かかり、ようやくコンケーン県に到着。昨日の移動疲れが心配だったが、皆元気一杯だ。

今日はタイのNGOでずっと活動してきたカンチャイさんを訪問した。元JVCスタッフでもあるカンチャイさんは、タイでは民主化を求めた1980年代から学生による社会運動が活発になってきた時から社会運動に関わっている。国際NGOスタッフを経験してから、支援をしているのに農村が良くならない状況を目の当たりにしたカンチャイさんは、資金を前提にした支援ではなく、人との信頼関係による助け合いの関係を築いてきた。現在、農園でできたお米や近隣の有機米を農家から買取り、奥さんの自然食品店で販売している。「自分が出来る規模で国際協力に関わること」をカンチャイさんは教えてくれた。

2月19日 炎天下のゴミ処理場

ゴーウィットさん(中央)の話を聞ゴーウィットさん(中央)の話を聞く

タイのネットワーク型NGOであるNGO-CODイサーン支部を訪問し、スラムや公害問題、森林問題に取り組むゴーウィットさんから、NGOに関わってきた経験とそこ2に住む人々との本当の対等な関係を築くことの大切さを学んだ。

参加者から「世界は本当に平等になるんだろうか」との質問に、「大きな話をする前に、現実を見なくてはならない。現実には不平等なことが多く起こっているのだから」という答えが返ってきた。

ゴミ処理場での仕事体験ゴミ処理場での仕事体験

お昼からはコンケーン市内から20km離れたゴミ処理場のコミュニティーを訪問。市内の4つの行政区からトラックでゴミが運ばれ、そのまま積み上げられる。処理ではなく、放置。生ゴミ、燃えるゴミ、資源ゴミなど、全てのゴミがそのまま捨てられている。病院からの注射針なども!! 炎天下の中、住民組織のリーダー、カムさんに教わりながら、ゴミ山から再生可能なプラスチック、アルミ、ダンボールなどを拾う。一時間半作業しただけで、汗が吹き出てくる。

その後に飲んだ冷たい水! 生き返るかと思うほど美味しかった。ここで住民たちは毎日12~15時間働く。一日休めばその日の収入はない。「本来、行政がすべきゴミの仕分けをやっているのに、国から何の補償もない」という住民の方の言葉が忘れられなかった。

交流会:子どもたちのダンス交流会:子どもたちのダンス

夜は、住民の皆と交流会!! 「日本人が来る」と聞いた日から、子どもたちはダンスの振り付けを自分たちで考え、当日披露してくれた。それに負けじと日本チームも歌やダンス、ゲームで盛り上げる。最高に楽しい夜だった。年齢も国籍も住んでいる場所も関係なく、皆が一緒に楽しんだ。あまりにも楽しすぎて涙が出た。

2月20日 あふれ出てくる想い

朝から中間まとめミーティング。これまで話を聞いて印象に残ったことや疑問を参加者の皆さんに書き出してもらう。出てくる、出てくる、色んなものを見て、感じたもの皆の中からあふれ出してくる。

「本当に対等な関係とはどういうことか」、「大規模なNGO、小規模なNGO、それぞれの役割がある」、「住民が権利を持つってどういうこと?それにはどんなことをすればいいの?」、「学校で学んだ知識は、実際の現場で役立たないの?」、「知識は使い方次第」などといった、ここでは書ききれないほどの議論がなされた。間違いも正解もない。ツアーの参加者が感じたこと、触れたことがそのまま経験となり知識となるのだろう。

共同農園にて収穫作業共同農園にて収穫作業

お昼からは、コンケーンから車で一時間離れたポン郡のヤナーン村、ノンテー村を訪問。村の共同農園では、有機野菜の収穫作業を体験させてもらった。明るい農家のおばちゃんたちと一緒の農作業はとても楽しい。きゅうりやバジルなどから、見たことのない野菜まで、参加者と農家の人たちは終始笑顔で収穫作業に励んだ。

2月21日 活気の溢れる朝市

早朝4時から既に家の明かりは点いている。月曜日はポン郡の有機農産物直売市場の日である。生産者はいそいそと5時前には家を出て行ってしまったので、私達は少し待って5時半に家を出た。

朝市:野菜の販売体験朝市:野菜の販売体験

今年で9年目の朝市は、益々賑わいを増している。既に知り合いの生産者と消費者は野菜やお米を買うだけではなく、「調子はどう」「こんな野菜が取れたよ」などといった楽しいおしゃべりをする。その市場で日本からの参加者は野菜やお米の販売体験をさせてもらう。「10バーツ」「20バーツ」など、覚えたてのタイ語でなんとかお手伝いができただろうか。

「スーパーで買うか、近所の市場で買うか、一人一人の選択が社会を少しずつ変えるんだよ」という朝市運営委員の言葉に、個人個人の行動する重要性を学んだと参加者から感想が出た。

2月22日 クロントイと青年グループとの出会い

バンコク最大のスラムと言われているクロントイ地区にあるドゥアン・プラティープ財団を訪問した。貿易港として栄え、労働者が集まってきてスラムが形成された。現在は、政府の政策によってショッピングセンターの建設計画によって、住民と港湾局との土地問題が深刻である。クロントイに生まれ育ち、小さい頃からドゥアン・プラティープ財団の活動に参加し、インターンやスタッフとして活動している20代の青年グループと意見を交換する。

クロントイ青年グループとクロントイ青年グループと

地域の外で働こうとする際の差別を経験した人、大学を卒業してからも地域活動に専念している人、同じ20代と思えないほど、自分の意見をしっかり持っている。

青年グループの一人が「このツアーの体験を日本に帰ってどのように活かしたいと思いますか」との質問に、参加者は「ツアーで見た事、感じたことを周りの人たちに伝えたい」と返した。日本で何が出来るのか、この問いはツアーが終わった後もずっと考えなくてはならない。

このツアーを締めくくる最終ミーティング。皆、思い思いのことを話す。様々なことを見て、体験して、話を聞いた。本やテレビの情報は間接的な情報である。今回のツアーは、直接的な情報を得た。ゴミ処理場での炎天下の汗、野菜に触れた感触、様々な人に聞いた話。これらは誰が何を言おうと参加者一人一人の心の中にしっかりと身についた体験となり、知識となった。これこそが自分の財産となる。その財産を大切にしながら、周りの人たちにも少しずつ分けていって欲しい。「一人があまり多くのモノを持たなくても良い。丁度良いくらいを持って、余剰分は他の人にあげられる社会」を少しずつでも作っていきたい。(青年グループの言葉より)

最終日:皆さんお疲れ様!最終日:皆さんお疲れ様!

参加者の感想

社会人:男性(20代)

今回の旅は本当に学ぶことや感じることの多い旅で、自分の価値観・考え方を変えられるようなものになった。自分は今回の旅が初海外であったし、今まで学んできたこともそんなに多くはないかもしれない。しかし、それとは関係なく多くのことを考えさせられた。一番感じたことは資金や誰かに学んだ知識に開発の成功は単純に比例しないということだ。資金や知識があって開発の害になるようなことなどありはしないと思っていた。それだけでは足りないのだ。現地で住民と同じような生活をして初めて見えてくることも多い。そして彼らから学ぶこともまた多い。たった一週間の経験で自分たちの見たもの感じたことは氷山の一角にも満たない表面的なものだけかもしれない。それでもこの一週間で出会った住民も一緒に参加した仲間ともこれが一期一会の関係であるとは思えない。これだけでもこのツアーには参加する価値があると思えるが、現場を知らない人は迷わずに参加するべきだ。参加して後悔することなど何もないはずだから。

大学院(進学予定):女性(20代)

援助=資金&大規模NGO。この固定概念は今回の旅で完全に崩れ去った。留学前に現地NGOの活動を生で見たいと思い、今回のツアーに参加。しかし今回の旅で教わったのは開発のノウハウではなく、「人と人・個人と社会のつながり」だった。共同農園や朝市での作業を体験し、近隣住民から地域住民へと信頼関係が広がっていることを肌で感じた。また、スラム出身の青年達の話を聞き、先人の活動と信念が次の世代へ受け継がれていることにも感銘を受けた。利便性ばかり重視する日本人が失いつつある「つながり」がそこにはあった。更に草の根運動を長年行ってきたゴーウィット氏の言葉が私の心に焼き付いている。「机上での勉強は役に立たない。住民と生活を共にし、対等になることで、真実が見える。」援助する側として上から目線で現地を見ていた自分に気付き、恥ずかしくなった。これからは現地で生活する人々の顔、価値観、未来を頭の中心に据えて勉強しよう。絶対に知識を活かせる人間になってやる!新たな目標が生まれた7日間だった。

Facebook コメント

団体案内
JVCの取り組み
9ヵ国での活動
イベント/お知らせ
現地ブログ
あなたにできること
その他
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F 【地図】
TEL:03-3834-2388 FAX:03-3835-0519 E-mail:info@ngo-jvc.net