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声明/提言書など

JVCがこれまでに発表/賛同した声明や提言書、報告書などを掲載しています。

JVCは本日、報道各社向けに以下のプレスリリースを発信しました。

(以下、プレスリリース本文)

パレスチナ・ガザ:日本のNGOが支援・協働する現地NGOスタッフが負傷者の救護活動中に殺害されたことに抗議します

ラザンさんの写真と血まみれのベスト(PMRS提供)ラザンさんの写真と血まみれのベスト(PMRS提供)

6月1日、パレスチナ・ガザ地区での抗議活動において、パレスチナ医療救援協会(the Palestinian Medical Relief Society、以下PMRS)の21歳女性救護ボランティアスタッフ、ラザン・アルナッジャールさんがイスラエル軍の実弾に被弾し、死亡しました。同日には彼女の他にも、負傷者の救助にあたっていたPMRSスタッフ3人が実弾で負傷しています。医療従事者を攻撃することは、ジュネーブ条約における戦争犯罪であり、この事件をめぐって現地での緊張がさらに高まっています。

PMRSは国際協力NGO 「日本国際ボランティアセンター(JVC)」の10年来にわたる現地パートナーNGOであり、これまでに外務省の日本NGO連携無償資金協力等の枠組みで、救護ボランティア育成を含む活動を協働してきました。またPMRSは同じく、日本の国際協力NGOである「パルシック」および「JADE-緊急開発支援機構」の現地パートナーでもあり、ラザンさんはJADEの支援によってトレーニングを受けていました。

PMRSは1979年に現地の医師や保健専門家によって設立されて以降、地域保健を専門とするNGOとして、子どもから大人まで数多くの人々に健康教育や保健サービスを届けるとともに、救護ボランティアを各地で育ててきました。救護ボランティア達は自発的にチームを組織し、毎日のように衝突の現場に駆けつけては負傷者を救護しており、非暴力・草の根のアプローチで人々を支え続けています。

JVCはラザンさんを追悼するとともに、医療従事者である彼女が救護活動中に殺害されたことに対しイスラエル当局に抗議します。また他の医療従事者も死亡・負傷している状況※注(1)について、真相を究明したうえで責任の所在が明らかにされ、その責任が果たされることを求めます。

また、抗議活動の参加者に対し国際法に則った応対がなされるよう、さらには国連人権理事会による独立調査が滞りなく行われるようイスラエル当局に求めるために、10以上の日本のNGO等が賛同する要請文を、近日中に河野太郎外務大臣宛に提出する予定です。日本パレスチナ友好議員連盟の会長でもあり、12月には現地を訪れ和平への取り組みについて対談していた同大臣との面会も要望します。

現地の情勢には国際的にも注目が集まっている一方、安全保障理事会で決議を出せなかったことにも象徴されるように、状況は不安定なまま膠着し死傷者の増加が続いています。打開のためには、より多くの市民の声、ひいては各国政府の関わりが必要です。ぜひ、本件のご取材を宜しくお願いいたします。

■このプレスリリースに関する連絡先:認定NPO法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F
TEL:03-3834-2388 / FAX:03-3835-0519 / E-mail:info@ngo-jvc.net
広報担当:仁茂田 / 人道支援/平和構築グループ・パレスチナ事業担当:並木

※JVCは1980年に設立され、アジア・アフリカ・中東の世界11の国・地域において活動しています。パレスチナでは1992年から活動を続け、ガザでの子どもの栄養失調予防・東エルサレムの若者レジリエンス支援を行っています。

※注(1) 国連人道問題調整事務所(OCHA)による2018年6月6日時点の発表によれば、イスラエル当局の攻撃により3月30日から5月31日までに医療関係者1人が死亡、245人が負傷し、40台の救急車が破壊されている。

今年3月30日からガザで続く抗議活動「帰還の大行進」において、医療従事者やジャーナリスト、子どもを含むパレスチナ人が、イスラエル当局の実弾を含む攻撃により死亡・負傷しています。5月末日時点で1万3,000人以上が負傷し、128人が死亡しており、抗議活動に対して殺傷力のある武器を使用することについて、国際社会の批判が高まっております。

この状況に関し、パレスチナに関わるNGO12団体は本日、共同で以下の要請文を河野太郎外務大臣に提出しました。非暴力の参加者に対する殺傷力のある武器の使用を中止し、また国際法違反として非難されている事件の独立調査が行われるよう、日本政府の働きかけを求めるものです。また要請文の内容を直接協議できるよう、外務大臣との面会を要望しています。

(以下、要請文本文)

ガザでの抗議運動参加者に対する殺傷力のある武器使用中止の働きかけ、真相調査の調整に尽力してください

外務大臣
河野 太郎 殿

私たちはパレスチナにおいて、苦境の中に生きる人々への支援を続けてきた日本のNGOです。

現在、パレスチナでは、米国大使館のエルサレム移転が行われた5月14日を含む、2018年3月30日から続くガザでの抗議運動において、イスラエル当局の攻撃により128 人のパレスチナ人が死亡し、数百人の子どもを含む1万3,000人以上が負傷しています※注(1)。また同時期に211人の医療従事者が負傷し、25台の救急車が損傷しています※注(2)。この状況に対し、私たちは、日本国政府に対し以下のように要請します。なお本要請は、当地で活動する80以上の国際NGOによるネットワーク「AIDA」が5月15日に発表した声明"80+ INGOs Demand Accountability for Israel's Unlawful Killing of Demonstrators in the Gaza Strip※注(3)"に基づいており、同様の要請がNGOを通じて各国政府へと提出されています。またその結果はAIDAへ報告された上で、情報回覧および拡散されています。

  1. 非武装の参加者に対する殺傷力のある武器の使用を中止するよう、イスラエル政府に働きかけてください。
  2. また、国際法違反として非難されている本事件について、2018年5月18日に国連人権理事会で派遣が決定した独立調査※注(4)が滞りなく行われるよう、関係者の調整に尽力してください。
  3. 非人道的なガザの封鎖を一刻も早く解除するよう、イスラエル政府に働きかけてください。

国際法に基づけば、殺傷力のある発砲は人命への切迫した危機にさらされる状況下以外では使用されるべきではない※注(5)とされています。また医療従事者への攻撃は、日本もその締約国である「国際裁判所に関するローマ規程※注(6)」において戦争犯罪と見なされます。人間の尊厳を守るため人類が多大な犠牲を払って積み上げたこれら国際法が容易に破られることは、いかなる政治的理由によっても肯定されることではありません。よって今回のイスラエル当局によるパレスチナ人の攻撃は、真相を解明する調査が必要不可欠です。

またパレスチナ、とりわけガザの人々は、改善するどころか戦争や封鎖の継続を経てますます悪化する状況に絶望しています。エルサレムのイスラエルへの帰属を認めた「米国主導の和平」についても、人々は期待を失うだけでなくその一方的なプロセスを非難しており、また国連総会では事実上の非難決議が出されるなど、米国によるイニシアチブは求心力を失っています。

日本が支持する当事者間交渉を伴う和平プロセスの再開には、パレスチナ側の信頼を勝ち得る主体の参加が欠かせません。昨年12月から外相・首相による当地訪問を重ねてきた日本国は、当地をめぐる現在の情勢を沈静化し、和平を進める主導力となり得る独自的立場にあるといえ、人々の尊厳を回復し得る行動が、当地の人々からも求められています。

2018年6月7日 特定非営利活動法人 アーユス仏教国際協力ネットワーク
特定非営利活動法人 APLA
サラーム・パレスチナ(日本聖公会 東京教区正義と平和協議会)
特定非営利活動法人 JADE-緊急開発支援機構
セーブ・ザ・オリーブ
公益社団法人 日本国際民間協力会(NICCO)
特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)
日本YWCA
合同会社 パレスチナ・オリーブ
特定非営利活動法人 パレスチナの子どもの里親運動(JCCP)
特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)
特定非営利活動法人 ヒューマンライツ・ナウ

■この要請文に関する連絡先
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F
TEL:03-3834-2388 / FAX:03-3835-0519 / E-mail:info@ngo-jvc.net
人道支援/平和構築グループ 今井、並木

※注(1) UNOCHAウェブサイト参照、5月31日時点(https://www.ochaopt.org/content/overview-may-2018

※注(2) UNOCHAウェブサイト参照、6月6日時点(https://www.ochaopt.org/content/gaza-s-health-sector-struggles-cope-massive-influx-casualties-amid-pervasive-shortages

※注(3) AIDAウェブサイト参照( http://www.aidajerusalem.org/80-ingos-demand-accountability-for-israels-unlawful-killing-of-demonstrators-in-the-gaza-strip/ )。日本語訳はJVCウェブサイトに掲載。( http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/2018/05/20180522-aida.html

※注(4) 国連人権理事会ウェブサイト参照。決議A/HRC/RES/S-28/1の主文5にて言及されている。( http://www.ohchr.org/EN/HRBodies/HRC/SpecialSessions/Session28/Pages/28thSpecialSession.aspx

※注(5) 国際連合人権高等弁務官事務所ウェブページ "Basic Principles on the Use of Force and Firearms by Law Enforcement Officials" (http://www.ohchr.org/EN/ProfessionalInterest/Pages/UseOfForceAndFirearms.aspx )主文9参照。1990年8月に開催された「第8回 犯罪防止・犯罪者の処遇に関する国連会議」にて可決され、同年12月の第69回国連総会でコンセンサスにて可決された決議A/RES/45/166にて歓迎された。(http://www.un.org/documents/ga/res/45/a45r166.htm )。

※注(6) 外務省ウェブサイト(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/treaty166_1.html

2月8日、JVCを含む日本のNGO5団体からJICA理事長宛に「公開質問状」を提出いたしました。プロサバンナ事業対象州の担当者である州農務局長の抑圧的な発言についてです。JICAには2月15日までの回答を要請しています。ぜひご一読下さい。
また、「州農務局長」の位置づけが不明とのことだったので、ここに関係図を掲載いたします。

州農務局長の位置づけ図州農務局長の位置づけ図

その後、2月16日に回答があり、2月27日に、州農務局長の発言の問題に加え、JICAがプロサバンナ事業で契約したコンサルタント企業(MAJOL社)の発言内容が録音で確認されたことを受けて、JICA理事長宛に追加の「公開質問状」が提出されています。JICAの回答も掲載いたします。

JICAからは全部で「8回」もの回答を受け取りましたが、結局、真摯な回答をいただけないまま、すなわち、現地で起きている人権侵害に対応されないまま、昨年来「外務省の判断で止められていた」はずの事業が「再開」されています。「ゼロ回答」に近い内容を受けて、NGO側からは以下の質問状以外にも、メールでの回答要請等も行っています。この間の経緯の詳細につきましては、以下の、ともに公開質問状を出した「モザンビーク開発を考える市民の会」のブログをご参照ください。

2017年4月、モザンビーク北部に暮らす現地住民(農民ら)11名により、プロサバンナ事業がJICA環境社会配慮ガイドラインに違反するとして、 異議申し立てがなされました

2017年11月に審査結果(調査報告書)が発表されましたが、この度、JICA環境社会配慮ガイドラインに則り、申立人らが審査結果に対する「意見書」を審査役3名に提出いたしましたのでここに掲載いたします。

ダウンロードできるデータ
2018.5.21「ナカラ回廊農業開発マスタープラン策定支援プロジェクトに対する環境社会配慮ガイドラインに基づく異議申立に係る調査報告書」に対する申立人からの意見書

2018年3月1日に京都で開催されたODA政策協議会(NGO・外務省定期協議会の一環で年3度開催)で、プロサバンナ事業に関連する議題が議論されました。この直前に、外務省より、JVCを含む関係NGOメンバーに対して、「河野外務大臣からの伝達事項」が伝えられました。

これを、事業に抵抗の声をあげる」プロサバンナにノー!キャンペーン」の現地農民組織・市民社会組織に伝えたところ、同キャンペーンより河野太郎外務大臣宛に書簡が送られたのでここに掲載いたします。

なお、3月1日は外務省側から重要な伝達事項があると言われたため、NGO側から録音が申し出られ、これが了承されました。その上で、伝達事項の重要度を鑑み、NGOから外務省が読み上げに使用した書面の共有が要請、外務省はこれを持ち帰り検討するとの説明がなされましたが、現在までこの書面の共有は行われていません(要請は何度か行われています)。

書面は提供できないが、当日の録音を公式記録として扱ってよいとの外務省の了解が得られました。
この録音をもとに起こされた記録はこちらをご覧ください。

2018年4月27日、3回目となる南北首脳会談が開催され、朝鮮半島における平和実現への強い意思を中心に据えた「板門店宣言」が発表されました。長年、不自然に分断された東北アジア地域において、人びとの心と心をつなぎ、平和の礎を築こうと交流を積み重ねてきた私たちは、この合意内容を心から歓迎します。とくに朝鮮半島の「確固とした平和体制の構築」「非核化」といった目標は、東北アジア地域に敷衍して共有できるものであり、この宣言を範として、その達成に手を携えていきたいと考えます。

前回の首脳会談から10年、南北の往来は遮断され、平和は大きく遠のいていました。冷戦時代の論理に基づいた米韓合同軍事演習の実施、それに対抗する朝鮮民主主義人民共和国によるミサイル開発や核実験、さらにこれへの経済制裁というように抑止と圧力の応酬が続きました。昨年に至っては、度重なる朝鮮民主主義人民共和国のミサイル開発や核実験に対し、アメリカが軍事攻撃も辞さない姿勢を示したことで開戦の可能性すら報じられました。しかし、大韓民国の文在寅政権の発足、そして平昌オリンピックを契機として、南北双方の対話姿勢は南北首脳会談を実現させ初の米朝首脳会談への道をも開きました。この流れが今回こそ定着し、朝鮮戦争が終戦へと前進するよう、周辺国も力を尽くす必要があります。

東北アジアの冷戦構造が長期化、常態化するなかで、この10年にわたる対話の不在は多くを奪いました。今回の板門店宣言は、既存の対立構造を変える覚悟を持って対話に臨むという両者の決意です。扉が開かれようとしている今こそ、日本も「最大限の圧力」「拉致と核とミサイルの包括的解決」にとどまることなく、対話姿勢をもって積極的に関与し、一つずつ成果を積み重ねる機会として生かすときではないでしょうか。
私たちは1990年代の人道支援を契機として、継続的に国交のない朝鮮を訪れて関係を築いてきました。2001年以降は朝鮮と韓国、さらには中国のパートナーとともに子どもの絵画交流を続けています。行事に参加する子どもから絵を観覧する大人まで、個人と個人が出会う機会を設けることが、信頼関係につながるとの思いからです。

長年の不信感や嫌悪感を払拭し、互いを認めるには長い時間が必要でしょう。しかし、人と人が出会い相互に意思を伝え合うことなしには前には進めません。外交交渉の過程では合意が困難な場合もあるでしょう。しかし、その解決に武力を用いたり、交渉を一方的に打ち切ったりすることは後退でしかありません。対話を絶やさない真摯な態度こそが平和を実現する道です。私たちは、端緒についた南北対話そして米朝対話が継続され、成果をあげることを心から望みます。そして、この南北首脳会談を契機に朝鮮半島の人びとが「平和」を目指そうとしている覚悟を他人事とせず、日本に暮らす私たちも東北アジアの一員として、同じ目標に向かって努力すべきことを、今後もたゆまず訴え続けていきます。

2018年5月28日

KOREAこどもキャンペーン(アーユス仏教国際協力ネットワーク/日本国際ボランティアセンター)

アメリカ大使館がエルサレムへ大使館を移転した5月14日、パレスチナ・ガザで行われた非武装のデモに対してイスラエル当局が実弾を使用し、61人が亡くなりました。この状況について、JVCも加盟する現地の国際NGOネットワーク「AIDA」が以下の声明を発表し、JVCも賛同し署名を行いました。

アメリカ大使館が5月14日にエルサレムへの移転を予定しており、パレスチナの人々やNGOでは状況の悪化を懸念しています。この状況について、JVCも加盟する現地のNGOネットワーク「AIDA」が以下の声明を発表し、JVCも署名を行いました。

AIDA:占領下パレスチナ領の危険な状態を受け、第三国の緊急行動を求める

2018年5月9日

2018年、占領下のパレスチナは新たな危機に直面しており、従来から多くの問題を抱えている現地の状況は、有害かつ不可逆的となりうる悪影響をさらに被っている。

アメリカ合衆国は2017年12月6日に、エルサレムをイスラエルの首都として認め、その大使館をテルアビブからエルサレムへと移転する旨を宣言し、また2018年初めには政治的動機に基づき、UNRWA(国際連合パレスチナ難民救済事業機関)への支援を打ち切った。このことは占領下のパレスチナにおける緊張を高め、東エルサレムを含む西岸地区における、イスラエルによる違法入植地建設を正当化するものである。この決定は、現行の"アメリカの和平への取り組み"と並行して、これまでの外交的合意事項と国連安全保障決議に規定された、エルサレムの国際法上の地位に関する慣行に打撃を与えるものである。

イスラエルとの境界付近のフェンス沿いで行われるガザの抗議では、2018年3月30日より40人のパレスチナ人が殺害され、数百人の子どもを含む5,000人以上が重軽傷を負う結果となっている。生きる権利、健康の権利、そして集会の自由の権利にも関わらず、これらの人々の多くが実弾により殺傷されている。抗議は、ナクバ70周年となる5月15日まで続くとされ、その前後にはより大きな被害が出ることが予想される。10年にわたる封鎖、電力と医療品、医療設備の欠如により、ガザの健康サービスは崩壊寸前であり、膨大な数の負傷者を治療するための十分なキャパシティーがない。負傷した抗議者を治療する医療従事スタッフも、攻撃の対象とされ負傷している。さらに、ガザ地区の外で手術を受けるべく許可証を取得することが不可能に近いため、手脚を切断することも多い。

ガザでは、封鎖やUNRWAへの支援打ち切り、そしてパレスチナ政府による給料不払いなどの懲罰的措置により、元来脆弱であったインフラは更に弱体化され、また人道危機の悪化により修復の目処を立てることは不可能に近い。ガザの96%の水は飲み水に適さない水であり、水質汚染による病気感染のリスクが著しく高い。慢性的な電気不足は、ヘルスケアや教育など公共サービスの提供に悪影響を与えており、悪化する食糧危機と貧困などの問題も重なって、ガザの100万人の子どもたちが生きるために必要な最低限のニーズすら満たされることなく、破たん状態の中で暮らす脆弱な人々は取り残されたままである。

アメリカ合衆国大使館は5月14日「エルサレムの日」に移動し、これはナクバの70周年となる5月15日、そしてラマダーン(イスラームの断食月)の始まりとなる5月17日と重なる。アナリストによれば、同時期にはアメリカ和平計画が提示され、いわゆる入植ブロックが承認される可能性がある。これは二国家解決策を破たんさせることと同義であり、パレスチナ国家の成立を不可能にするほか、西岸地区を数々の飛び地に切り裂くことでパレスチナ人の移動の自由を奪うものである。

何よりも、イスラエルは植民地の拡大と、西岸地区のうちC地区と東エルサレムの併合を進めている。現在、11の併合を決める法案が審議中であり、もしそれらが可決されれば、C地区の60%が併合され、110ものコミュニティが困難な状況に陥ってしまう。現在も44の学校が取り壊しの危機に瀕しており、64のコミュニティは強制移設が危惧され、これらはジュネーブ協定に違反するものである。この中には戦略的E1地域に指定された回廊地区に位置するKhan al Ahmar Abu Helu とAbu Nuwarのコミュニティが含まれており、これらが取り壊された場合、更なる入植地の拡大と、西岸地区からの東エルサレムの完全な孤立に繋がる恐れがある。

外交レベルでは、アメリカ合衆国による大使館の移動は国際社会での先例を作ることとなり、他国がそれに続く可能性が懸念される。実際に他の国連加盟国も、国連安全保障理事会決議478への違反にもかかわらず、エルサレムへの大使館の移設を検討する兆しがあるが、これは国連安全保障理事会が法的に無効としたイスラエルの違法な東エルサレム併合を承認するのと同義である。さらに、最近40人の国連大使が、イスラエル訪問中にイスラエルのダニー・ダノン国連大使と共に、イスラエルが主権を持たないはずの占領下のパレスチナを訪れており、これは国際法上に規定される不承認原則に違反している。

これらの進展は治安悪化、絶望、人道的ニーズの急増など、現地に多大な影響を与え、交渉再開不可能なほどの障害となりうる。

第三国は、状況の悪化を阻止し、これらの現状を打破するために、以下の緊急行動を取るべきである。

  • 国際法違反防止のための貢献を強化し、国際法の遵守を保障する。
  • ガザにおける抗議者の違法な殺害と過度な武力の使用について批判し、説明責任を要求する。
  • イスラエルによる違法な東エルサレム併合を承認せず、国連安保理決議478号を遵守し、エルサレムへの大使館移設を差し控える。
  • イスラエルの入植地を承認せず、イスラエルとのいかなる二か国間条約においても占領下のパレスチナ領を除外することで、国連安保理決議2334号、特に第5項を遵守する。

(翻訳:パレスチナ事業インターン 板倉)

原文: Third state action urgently required to address the volatile situation on the ground in the oPt

9 May 2018

2018 has witnessed the emergence of a new volatile state of affairs in the occupied Palestinian territory (oPt), which may have a detrimental, perhaps irreversible, impact on the already worrisome situation on the ground.

The US announcement on 6 December 2017 declaring Jerusalem as the capital of Israel and confirming its stated intent to relocate its embassy from Tel Aviv to Jerusalem, coupled with US politically motivated funding cuts to UNRWA in early 2018, have contributed to fostering increased tension in the oPt, and to legitimizing Israel's illegal settlement enterprise in the occupied West Bank, including East Jerusalem. In parallel with ongoing 'US peace efforts', the decision also undermines previous diplomatic consensus and state practice in regards to the status of Jerusalem under International law, as enshrined in various UN Security Council resolutions.

Protests in Gaza near the fence with Israel since 30 March 2018 have resulted in the killing of 40 Palestinian protestors, including four children, and the injury of more than 6,000 others, many by live ammunition, in contravention of their right to life, health, freedom of expression and freedom of assembly. The protests are scheduled to continue until 15 May, when Palestinians will be commemorating 70 years of Nakba, with possible high levels of casualties in the coming weeks.

Health services in Gaza are on the brink of collapse as a result of a decade-long blockade and insufficient electricity and medical supplies and equipment, and are poorly equipped to deal with the vast numbers of injured. Medical personnel have also been targeted and injured while assisting wounded protestors. Moreover, the near impossibility of obtaining a medical referral for surgery outside of the Gaza Strip is causing a high number of limb amputations.

An already fragile infrastructure in Gaza will be further eroded and perhaps unable to recover due to the worsening humanitarian crisis, as a result of the blockade, UNRWA funding cuts and possible punitive measures introduced by the PA, including the non-payment of salaries. With 96% of water unfit for human consumption, the risk of waterborne disease and infections is extremely high. The ongoing electricity deficit is impacting the ability of services such as health care and education to meet the basic needs of almost one million children in Gaza, alongside severe increases in poverty and food insecurity, leaving an already vulnerable population in a precarious state.

The US embassy move on 14 May coincides with 'Jerusalem Day', the commemoration of 70 years of Nakba on 15 May, and, subsequently, the beginning of the Ramadan on 17 May. Some analysts have also suggested that the 'US Peace Plan' will be presented around the same time, involving a possible recognition of the so called 'settlement blocks', which would be a final death blow to the two-state solution, rendering impossible a contiguous Palestinian state and further hampering freedom of movement by carving the West Bank into small, discontinuous enclaves.

It is in this context that Israel continues to promote its settlement expansion and annexation agenda in both Area C and East Jerusalem of the occupied West Bank. Currently, 11 annexation bills are in different legislative stages in the Israeli Knesset, which, if adopted, would entail the annexation of 60 % of Area C, to the detriment of some 110 Palestinian communities located in these areas. 44 schools are currently under threat of demolition, and some 64 communities are at risk of forcible transfer, a grave breach of the Geneva Conventions, including the communities of Khan al Ahmar Abu Helu and Abu Nuwar located in the strategic E1 corridor, which, if demolished, would pave the way for further settlement expansion, and cut off East Jerusalem from the rest of the West Bank.

On the diplomatic level, the US decision to relocate its embassy may create a negative precedent for other states to follow suit; there are indications that other UN Member States are contemplating moving their embassies to Jerusalem, in sharp contravention of UN Security Council Resolution 478, hence endorsing Israel's illegal annexation of East Jerusalem which the Security Council has rendered "null and void". Moreover, it is lamentable that 40 UN Ambassadors allegedly accompanied Israel's Ambassador to the UN, Danny Danon, during a recent visit to Israel, to sites in occupied territory, where Israel has no sovereignty, in contravention of the principle of non- recognition enshrined in international law.

These developments may have an explosive effect on the ground, and create almost unsurmountable obstacles to achieving a negotiated, just peace based on international law, including instability, hopelessness and a stark increase in humanitarian needs.

Third States must take urgent action to prevent the situation from further deteriorating, and counter these negative trends by:

  • Increasing their engagement to prevent violations and ensure respect for international law.
  • Denouncing and demanding accountability for the continuing unlawful killing of protestors in Gaza and excessive use of force.
  • Ensuring respect for UN Security Council Resolution 478 by not recognizing Israel's unlawful annexation of East Jerusalem, and refrain from moving their embassies to Jerusalem.
  • Ensuring respect for UN Security Council resolution 2334, particularly article 5, by not recognizing Israeli settlements and excluding the occupied Palestinian territory from all bilateral agreements with Israel.
  • END

JVC理事の谷山博史と田中優が呼びかけ人として参加している「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」が、イラク戦争開戦から15年となる今年、以下の声明を発表しました。イラク戦争への日本の関与、そして、その後の振り返りがなく今までに至っていること、決して「過去」のこととして忘れられてはいけない出来事です。ぜひ関心を寄せていただけましたら幸いです。

【以下声明本文】

今年の3月20日にはイラク戦争から15年になります。イラク戦争はアメリカやイギリスなど開戦した国々ですら「間違った戦争」と認めた戦争です。開戦の口実となった大量破壊兵器は見つからず、逆に内戦状態に陥り、IS(=イスラム国)が台頭するなど世界中にテロの拡散と混迷を招きました。イラクの人々は「テロ」と、それを撲滅するはずの「対テロ」の双方によって命を奪われ続けているのです。

あの時、日本はいち早く米英の開戦に支持を表明しました。世論の反対を押し切ってイラクへの自衛隊派遣も断行しました。なのに...日本では、開戦国ですら誤りを認めている戦争の大義について誠実な検証が行われていません。

現在、日本のすぐそばでも新たな戦争の開戦危機があります。アメリカと北朝鮮の攻撃的な言葉の応酬、脅威を煽るメディアはイラク戦争開戦前を思い起こさせます。

あの時、イラク同様、「悪の枢軸」と呼ばれた北朝鮮が核開発をすすめたのは、「安易に武装解除に応じて、イラクの二の舞になることは避けたい」という警戒感からだったのではないでしょうか。「大量破壊兵器の査察がまさか戦争にまで広がるまいと考え、それを素直にうけいれたことも(フセイン政権)の大きな失策だ」(2004年4月11日付 労働新聞)。

イラク戦争はたった15年前に日本が積極的に関わった戦争です。未来をつくるには過去の「失敗」から学ぶことが何よりも大切だと私たちは考えています。イラク戦争開戦から、15年目の3月20日、私達は以下のことを求めます。

  1. 以下の3点を検証する独立の第三者委員会を政府が設立し、検証結果やその過程を全て公開すること。

    ・「イラク戦争支持の政府判断に関する見直し」

    ・「自衛隊イラク派遣の判断の是非」

    ・「イラク復興支援への日本の関わり」

  2. 小泉純一郎元首相、川口順子元外務大臣、石破茂元防衛庁長官など、イラク戦争支持・支援した政権関係者らが、その判断や過程について、詳細を明らかにすること。
  3. イラク戦争の失敗から学び、北朝鮮の核とミサイル問題に対し、武力によらない平和的な解決へ、日本政府は全力を尽くすこと。国連憲章違反の先制攻撃やそれを容認するような発言を慎むこと。

2018年4月7日にシリアの東グータ地区において一般市民への化学兵器使用が疑われたことを受け、日本時間の14日、アメリカ合衆国、イギリス、フランスの三国はシリアのアサド政権に対する軍事攻撃を実施しました。

私たち日本国際ボランティアセンター(JVC)は、長年にわたってイラク、アフガニスタン、スーダン、パレスチナを含む中東諸国において、紛争で傷ついた人々に対する人道支援活動を続けてきました。またこれまでにも、米国とロシアを含む諸外国やシリア政府、武装勢力による軍事作戦で多くの民間人が犠牲になってきたことを憂慮し、武力の応酬が紛争の終結を遠のかせているとの認識に基づいて、懸念の声明を発表してきました。

このたびのアメリカ、イギリス、フランスによる軍事介入は、計画性や対象の限定に関わらず、民間人を巻き込み得る武力介入を避けるための外交努力、および国連安保理決議による正式かつ十分な過程を経ない行為であり、過去、イラクやアフガニスタンでアメリカなどが軍事介入の正当化事由とした"自衛権"も、当時と同様に到底正当化できるものではなく、明らかな国際法違反です。

今回の攻撃についても、下記のように要望します。

  1. 今回のような武力介入が、化学兵器使用に対する公式で中立な検証の実施の機会を喪失させるようなことがあってはなりません。化学兵器使用がシリア政府によるものだという確固たる証拠は、未だ開示されていません。攻撃を行うのではなく、化学兵器禁止機関および国連共同調査メカニズムの枠組みでの調査団派遣を実現させ、それをシリア政府が受け入れるよう国際社会が積極的に働きかけることを求めます。
  2. 日本政府には、今回の軍事攻撃の「決意を支持する」(4月14日首相談話)という立場ではなく、化学兵器使用に関する中立的な調査の実施をはじめ、武力介入ではない形での危機の打開に向けて国際社会で積極的な役割を担うことを求めます。

以上

この声明に関する連絡先

特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)
〒110-8605 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル6F
TEL:03-3834-2388 / FAX:03-3835-0519 / E-mail:info@ngo-jvc.net
人道支援/平和構築グループ 今井、並木

(以下英語訳:日本国際ボランティアセンター・英語ボランティアチーム)

Statement on the military attack on Syria by the United States, the United Kingdom, and France

16 April 2018

Japan International Volunteer Center (JVC)

On the assumption that on 7 April 2018 chemical weapons were used upon innocent civilians in the Eastern Ghouta district of Syria, the United States, the United Kingdom, and France on 14 April 2018 conducted a military attack on the regime of Syrian President Bashar al-Assad. We, Japan International Volunteer Center (JVC), have undertaken humanitarian aid in such places as Iraq, Afghanistan, Sudan, and Palestine to aid local peoples suffering from conflicts. Having witnessed the serious harm inflicted upon innocent citizens by the military actions of countries such as the United States and Russia, as well as by the government of Syria and other military bodies, we have made statements emphasizing that military reciprocation only hinders peace and resolution.

The present military intervention by the United States, the United Kingdom, and France, regardless of the specified plans and targets, violates international law. This is because it does not abide by preceding diplomatic efforts to avoid interventions that may potentially harm innocent civilians, and it ignored the standard process of careful deliberation at the United Nations Security Council. It also lacks the justification of military action by the right to self-defense, which, for example, the United States insisted upon in the cases of the wars in Iraq and Afghanistan. We therefore appeal to the international community and the Japanese government as follows.

  1. The chance for official and neutral organizations to investigate the use of chemical weapons should not be forfeited by the present military intervention. No clear evidence is yet shown that the government of Syria used chemical weapons. We request an investigative team to be dispatched through the mechanisms of the UN and of organizations working to prohibit the use of chemical weapons, and we urge the international community to assertively call upon the Syrian government to accept the investigation.
  2. We request the Japanese government to not stand by its decision to "support" the military attack (statement by the Prime Minister, 14 April 2018), and instead, starting with a neutral investigation into the use of chemical weapons, play an active role in the international community to pursue solutions to the present crisis that avoid military intervention.

For any inquiry, please contact

Takaki IMAI or Mai MAMIKI
Humanitarian Aids & Peace Building Group
Japan International Volunteer Center (JVC)
Creative One Akihabara Building 6F, Ueno 5-3-4, Taito-ku, Tokyo 110-8605
TEL:03-3834-2388 / FAX:03-3835-0519 / E-mail:info@ngo-jvc.net

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