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アフガニスタンでの活動

地域保健

2017年2月16日 更新

アフガニスタンでは、長年の復興支援の期間を経て、保健分野の各所で改善が見られているものの、いまだに住民の間に基本的な衛生や栄養の知識が完全に届いておらず、薬に強く依存する人々もまだ多くいます。単なる医薬品の配布は住民の依存体質を強め、副作用の影響も心配です。

JVCは行政代行をするのではなく、住民の間に多くの病気が日常の中で予防できるという理解を広め、住民主体で栄養・衛生の改善策が実施されるようになることを目標としています。JVCは、これまで診療所、母親教室、並びに学校を中心に健康教育を行ない、「多くの病気は予防できる」という認識を広げてきました。診療所での治療だけでなく病気予防を重視し村の中で自主的な保健の取り組みを進めるために、2011年より、村の指導者たちによって「保健委員会」が結成されました。

先行する保健委員会はこれまで井戸の衛生的な管理やマラリア対策キャンペーンなど、活動を発展させてきています。現在、それに続き12の拠点で保健委員会が立ち上がり、それぞれが活動しています。女性の保健教室や学校での健康教育も続いていますが、JVCのサポートもまだ必要です。今後はさらにこれらの活動の定着を図り、住民主体の病気予防と生活改善の実践がJVCの去った後でも持続していくことを目指します。

【注】
JVCは、2016年12月をもって診療所の運営を現地のNGOに移管いたしました。この診療所は現地の公的な施設ですが、アフガニスタンの置かれた厳しい状況からも、外国のNGOであるJVCが運営を行ってまいりました。しかし、持続発展性の観点から、現地政府や現地NGOへの移管を目指してまいりました。運営期間がすでに12年ほどになり、また今回移管を行った時期が運営主体の変更が可能になるアフガニスタン政府が定めた期間でもあることから、正式な手続きを踏んで、移管の手続きを行いました。詳しいご報告は別途、掲載させていただく予定ですが、移管が完了した後の第一報として、まずはここにお知らせとしてさせていただきます。
なお、その他の住民とともに取り組んでいる地域保健の活動はそのまま継続いたしております。

活動紹介

1.診療所の運営(2016年12月をもって現地NGOに移管。上記参照。詳細報告掲載まで、これまでの活動を下記に掲載)

(2カ所の診療所で無料診療を実施、僻地でも巡回ワクチン接種)

JVCは、アフガニスタン東部にあるナンガルハル県シェワ郡ゴレーク地域(人口約27,000人)で2つの診療所を運営しています。一つはゴレーク村診療所、もう一つはクズ・カシュコート地区の簡易診療所で、どちらも無料で患者さんの診療と薬の処方を行っています。

ゴレーク村診療所は週6日運営し、一般外来は1日平均100名、男性医師に加え女性医師と助産師を配置して、女性と子どもに焦点をあてた保健・医療活動を行っています。診療の合間には、病気にならないためのからだづくりや衛生改善など病気予防のための健康教育もしています。また、診療所までのアクセスが困難な遠方の住民には巡回してワクチン接種をすることで医療サービスを提供しています。家族単位で診療履歴を記録していくファミリー・ヘルス・ブック(カルテ)は、2010年にJVCがアフガニスタンで初めて診療所に導入しました。2013年度はこれを活用して受診回数が多い家族を選出し、家庭訪問を行って家庭環境を見ながら必要な保健衛生上のアドバイスを行いました。

ゴレーク村診療所ゴレーク村診療所
サルカンド地区でのワクチン接種サルカンド地区でのワクチン接種

クズ・カシュコート地区の簡易診療所は、ゴレーク村診療所から北東に約15km離れた場所にあります。男性医師1名、助産師(女性)1名を配置し、患者数は1日に60~70人です。

クズ・カシュコート地区簡易診療所クズ・カシュコート地区簡易診療所

2.保健委員会

(長老たちと地域保健に取り組む)

保健や栄養に関する主体的な取り組みが始まるように、村の長老たちからなる保健委員会とともに目標を設定して保健活動をサポートしています。2013年度は、保健委員会が自分たちで井戸の水質や井戸周りの環境を管理するようになりました。また健康に関する知識・関心を高めるため、村人が利用できる資料室を設置しました。

クズ・カシュコートの保健委員会メンバー、モハマディーンさんクズ・カシュコートの保健委員会メンバー、モハマディーンさん

「JVCの活動は純粋に人道に基づいた支援で、アフガニスタンにおける他国の政府の支援と違い政治目的がありません。JVCはニーズにあった支援をするだけでなく、住民の能力に応じた支援を考えながらしているのがわかりました。それで私達はJVCの活動をうれしく思いますし、賛同しているのです」

3.家族健康アクショングループ

(保健の知識を家庭へ伝える女性グループ)

家族健康アクショングループによる勉強会家族健康アクショングループによる勉強会

2014年、アフガニスタン政府保健省によって「家族健康アクショングループ」(Family Health Action Group, FHAG)という名称の女性グループが各村で任命されることが決まりました。その役割は、保健省から地域保健員経由で伝えられる保健事項を家庭訪問で住民に確実に伝えることです。JVCは以前から活動地で女性を対象とした健康教室(母親教室)を実施してきましたので、母親教室を修了して病気予防や衛生向上についての高い意識をもった女性たちが、村人によってFHAGメンバーに選ばれました。活動地には現在16のFHAGがあり、およそ2400世帯を見て回っています。JVCは、FHAGが保健省の単なる伝達役にとどまらず、自主的に地域保健にとりくむグループに発展していくことをめざします。JVCの女性職員が各FHAGを毎月訪問し、活動状況を把握して必要なアドバイスを行います。またFHAGメンバーが、健康問題を抱える家庭を訪問して保健指導を行うよう支援します。勉強会の開催も行っています。このようにFHAGの活動を支え、女性の自主グループ形成の基盤を固め、女性の社会進出を促すことも大きなねらいです。

4.地域保健員

アフガニスタンでは政策により各地域に地域保健員が置かれ、軽傷や軽い病気の際に村人が訪れられる仕組みになっています。JVCは地域保健員の研修や活動の支援を行っています。

最近の活動

2016年度の報告

  • 保健委員会のメンバーの活動のうち、共同資料室の管理運営や井戸の衛生向上の活動が継続しています。今年度は井戸管理の順番を決め、毎月誰かが責任を持つ体制となり、活動の定着がさらに進みました。井戸の水質の改善の成果もあり、数年前と比較して、診療所のデータから見る下痢の件数は減っています。
  • 今年度も2015年に始まった男性の村人を対象とした健康教育が順調に開催されています。村人のリーダー的存在である保健委員会メンバーの参加があることで、村全体の環境美化について、人々に協力を仰ぐなど、地域保健の中で重要な"連携"が見られました。バンガオ村では、この男性住民への健康教育のすぐあとで、実際に村の衛生のために住民が集まってゴミを除去したとの報告がありました。
  • 保健委員会メンバーが村人に病気予防の大切さを説いている。2016年6月保健委員会メンバーが村人に病気予防の大切さを説いている。2016年6月
  • 各保健委員会は実働部隊として青年のボランティアグループを結成しており、彼らがマラリア対策キャンペーンのときなどに協力してくれました。随時、保健委員会の呼びかけに応じてくれる頼もしい存在です。
  • 将来的に保健委員会自身で資金調達が可能となるよう、基本的な申請書の書き方などを研修で扱い、その実践も兼ねて保健委員会が提案する小規模プロジェクトに資金提供することを伝えたところ、合計11つのプロジェクト申請書が提出されました。そのうち最も具体的で実現可能なものを選び、現在、実施に向けて動いています。今回選ばれたプロジェクトはフズバーグ村の資料室設置、ゴレーク村でのマラリア検出キャンペーン、バンガオ村での公衆トイレ設置です。トイレ設置後に村人がしっかり管理をしていくことが今後の重要な課題となります。
  • 現在建設中のバンガオ村の公衆トイレ 2017年2月現在建設中のバンガオ村の公衆トイレ 2017年2月

    家族健康アクショングループ(女性グループ)

  • 現在、14の拠点(女性の地域保健員の家)でそれぞれ15~20名が毎月集まり、保健についての勉強会を開催しており、参加メンバーは近所を回って、近隣の家庭に自身が学んだ知識を伝えています。この地域では慣習的に女性が外出する機会が非常に限られていることもあり、女性同士が集まり子どものことや家族の健康について話し合いを持てる場を楽しむ人も多いため、月例会への出席率は非常に高く、ほぼ毎回、全員が参加しています。
  • 昨年度から参加し始めた読み書きのできるメンバーは現在30名を越えています。彼女たちは地域保健員補佐し、メンバーからのレポートの確認などを担い、出欠、日程、発言などを記録する会合記録ノートが付けられ始めました。女性の会合記録が取られるようになったことは大きな進展です。
家族健康アクショングループの会合記録 2017年1月家族健康アクショングループの会合記録 2017年1月
会合が開かれている地域保健員の自宅。子どもたちが覗き込む。2016年12月会合が開かれている地域保健員の自宅。子どもたちが覗き込む。2016年12月

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