集団的自衛権をめぐる論議に対する国際協力NGO・JVCからの提言

―紛争地の現実を直視し、
武力行使で「失うもの」の大きさを考慮した議論を求めます―

JVCは紛争地で活動するNGOとして、集団的自衛権の議論に対して提言をまとめま した。以下からダウンロードしてご覧ください。

私たちが異議を唱える理由

  1. 私たちは、徹底した安全対策に基づいて、紛争地での国際協力活動を行っています。
  2. 自衛隊による救出は、現実的ではありません。多くのケースは武力でなく交渉で解決に導かれています。
  3. 『外国軍が、平和維持活動の一環でも武力を行使する』ということは、紛争の当事者になり、紛争に巻き込まれることを意味します。
  4. 軍との連携は危険性を高めます。
  5. 日本の平和協力の独自性が失われかねません。

発言

私たちJVCが、アフガニスタン、スーダン、南スーダン、イラク、ソマリアなど紛争地の活動現場でこれまで見てきたことは、外国軍による武力行使や軍事に頼る「国際貢献」が、自国民を守る上でも、国際紛争を解決する上でも、十分な効果を発揮しえない現実であり、軍の介入に伴う深刻なリスクでした。
日本政府は、武力行使もいとわない「国際貢献」を目指していますが、政府の議論に欠けているのは、「失うもの」の大きさに対する認識です。これまで日本は、自衛隊を含めて非軍事に徹した国際平和協力を行ってきました。これは、他国にできない日本の独自性であり、これにより日本が国際的な信頼を獲得してきたことは、まぎれもない事実です。
いま必要なのは、国際社会におけるこの日本の資産を真の意味で「積極的」に国際平和協力に活用することです。「NGOを守るため」という非現実的な理由で、第二次世界大戦以降およそ70年間をかけて築き上げてきた資産や信頼を決して失ってはならないのです。
紛争地の現実を直視し、武力行使で「失うもの」の大きさを考慮した議論を求めます。

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