「米大統領に対し、国際刑事裁判所(ICC)に対するいかなる攻撃や脅威にも反対するよう求める」共同書簡に賛同しました
イスラエルによるパレスチナ・ガザへの侵攻をめぐり、5月20日、国際刑事裁判所(ICC)の検察局は、イスラエルのネタニヤフ首相とガラント国防相、ハマースの幹部3人に戦争犯罪や人道に対する犯罪の容疑で逮捕状を請求しました。こうした事態に、米議会などが強く反発し、制裁措置の発動等を訴えています。
ICCの独立性を守るため、ヒューマン・ライツ・ウォッチなどが世界中のNGOに呼びかけ、アメリカ政府宛の共同書簡への署名を集めています。JVCもこの共同書簡に賛同します。なお、現在ICCの所長は初の日本人となる赤根智子判事が務めており、また、日本はICCの最大の分担金拠出国でもあります。
今回のICCによる請求に対して、米国の複数の議員がICCに対する制裁措置を要請しています。ICCは人道に対する罪や戦争犯罪などの国際犯罪を裁く独立した機関であり、責任ある個人を訴追して、将来の同様の犯罪を防ぐことを目的とし、その権限の範囲内で各国当局と協力しています。米議会によるICCへの制裁の要請や、米政権がこのような要請に応じることは、裁判官やICCの独立性を脅かすものであり、被害者の利益に反します。
米国はICC加盟国ではありませんが、特定の事件等においてICCを支援しており、ウクライナ等における深刻な犯罪に対処するために、ICCが不可欠な役割を担っていることを認めています。司法判断に対し二重基準を用いて態度を変えることは、人権侵害等から被害者を救済する法律の信頼性や効力を損なうことになります。
私たちは、裁判のプロセスに関するいかなる意見の相違も、適切な司法ルートを通じて追求されることを強く求めます。
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