「10年後の私」をテーマにした2010年のともだち展に、大学生になった自分の姿を描いて出品した平壌の男の子。2021年には、「夢として描いた自分の姿が、今年現実になりました」と近況が届きました。メッセージは、「ともだち展で会ったいろんな友達、夢を実現した・実現している友達にまた会って、新しい夢を分かち合いたいです」と締めくくられていました。
歴史や政治的な背景から、「近くて遠い」国になっている南北コリア。しかし、東北アジア地域で平和をつくっていくためには、お互いの理解が大切だとJVCは考えています。
JVCは、南北コリアを含む東北アジアと日本の子どもたちや若者が、絵や対面の交流を通じて親交を深められるような活動を行っています。活動を始めて20年以上が経ち、各地の子どもたちの心には、交流が大切な思い出として記憶されています。
どんな政情の中でも、市民のあいだで「髪の毛1本の細いつながり」を途切らせないために。
JVCは南北コリアと日本をつなぐため、2つの事業を運営しています。
「会えないからこそ、絵で心をつなぐ」。日本・韓国・朝鮮民主主義人民共和国・中国に暮らす子どもたちが、毎年テーマに沿った絵画を交換し、絵の感想をメッセージで寄せ合ってつながり合います。「南北コリアと日本のともだち展」のウェブサイトはこちらをご覧ください。
●2021年活動報告はこちら
平壌でのストーリー
「10年後の私」をテーマにした2010年のともだち展に、大学生になった自分の姿を描いて出品した平壌の男の子。2021年には、「夢として描いた自分の姿が、今年現実になりました」と近況が届きました。メッセージは、「ともだち展で会ったいろんな友達、夢を実現した・実現している友達にまた会って、新しい夢を分かち合いたいです」と締めくくられていました。
日本でのストーリー
2021年に行われた20周年の記念絵画展には、「わたしがつくる未来」をテーマにした各国の子どもたちの作品と、過去作品が並びました。 絵を描いて参加した、横浜市在住の小学1年生・あかりさんは、韓国のともだちが描いたピクニックの絵を見て「楽しそう、私も一緒にピクニックしたい」とコメント。会場にあるお手紙ポストに、絵を描いた子へのお手紙を書いて投函しました。朝鮮半島に暮らす「ともだち」と、いつか一緒にピクニックできるのを楽しみにしています。
社団法人オリニオッケドンム
韓国のパートナー団体。北の子どもへの支援と文化交流、平和教育を活動の柱とするNGO。団体名には、背の高さと心の高さを同じくして「肩を組み合えるともだち(=オッケドンム)」になろうという意味が込められています。
リンク:https://www.okfriend.org/
日朝の子どもたち同士による絵画交流である「南北コリアと日本のともだち展」の発展形として、2012 年から「日朝大学生交流」を実施しています。 日本の大学生と、平壌外国語大学の日本語学科の学生が数日間行動をともにし、 日朝関係といった情勢の話や将来の夢についてのワークショップを実施しています。
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平壌でのストーリー
2012年から、日本語を学ぶ平壌外国語大学の大学生と日本の大学生が、平壌で交流する機会を創っています。日朝の大学生たちが行動をともにしながら、まずはお互いを知り、同じテーマで意見交換するワークショップでは、お互いの考えを活発に語り合います。
現在は交流と勉強会をセットで行い、東北アジアの平和構築に関心を持ち主体的に関わる人材を育てていくことを目指しています。
映像:「近くて遠い国」平壌現地ルポ
日本人から平和を望む声を聞き、そして同じことを考えて同じ見解を得たことに、本当に感動しました。私たちは20代ですから、戦争のない幸せな未来のために頑張りましょう。ありがとうございました。(平壌の学生)
平壌でのストーリー②
大学生交流では、体制や価値観、文化などいろんな違いが出ますが、平和を求めるというお互いの共通点を見出したことだけでも大きな成果だと思います。いま東アジアは複雑な問題を抱えていますが、この交流を一生思い出に残るひとコマとして肝に銘じ、自由で平和な繁栄する東アジアにするためにがんばっていきましょう。(平壌大学の担当者コメント)
‘95年
1995年に起きた、朝鮮民主主義人民共和国での洪水被害。JVCは他のNGOとともにネットワークを組み、子どもたちへの人道支援を行いました。しかし、現地の人々の食糧事情が改善しない一方で、日本社会ではミサイル発射などの影響で一気に世論が厳しくなり、人道支援に対する理解を得ることが困難になっていきました。
‘00年
韓国の団体「オリニオッケドンム」による南北の絵画交流を知り、朝鮮半島だけでなく韓国、在日コリアンと日本の子どもたちが、絵を通して出会いお互いを知るための絵画展「南北コリアと日本のともだち展」を2001年にスタートしました。
2002年には、平壌での絵画展も始まりました。日韓ワールドカップ、韓国ドラマの流行などの後押しがありましたが、2006年以降は日朝関係の悪化も起こっています。
‘10年
10周年を迎えた絵画展は国内でも広がりをみせ、2011年には「おおさか展」も開始。2012年には日本の子どもたちが平壌を訪ねたほか、「日朝大学生交流」が始まりました。2014年には8年ぶりの平壌展が行われ、現地メディアの取材を多数受けました。
‘20年
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、日朝大学生交流は延期に。初めて海外渡航の取り組みが途切れることになりましたが、オンラインや郵送のやりとり、そして勉強会を中心に、「直接会わなくても出来ること」で子どもたちや若者をつなぐ試みが続いています。
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