ガザ:JVCが支援・協働する現地NGO代表医師自宅がイスラエル当局の空爆を受け全壊しました
11月13日未明、パレスチナ・ガザ地区の小児医療支援NGO「Ard El Insan(人間の大地、以下AEI)」代表のアドナーン医師が住むマンションが、イスラエル軍による空爆を受け全壊しました。
現地情勢は、11月11日にイスラエル軍がガザ内部で実施した軍事作戦により、ガザを実効支配するイスラム組織ハマースの軍事司令官など6名のパレスチナ人と1名のイスラエル兵士が死亡したことに端を発し、緊張が高まりました。その後12日より、ガザ側からはハマース等により460発のロケットがイスラエルに向けて発射され、イスラエル側もガザ内部の160箇所を空爆し(ニュースリンク)、双方で9名が死亡、50名以上が負傷しています(ニュースリンク)。13日夕方、エジプト等の仲介により停戦が成立していますが、依然として緊張状態が続いています。
イスラエル側から「ハマースの軍事拠点に向けて発射された」はずのミサイルは、一方で一般の人々が暮らす建物をも破壊しています。アドナーン医師は、地元TV局「ドゥニヤ・アル=ワタン」のインタビューで以下の旨をコメントしています(原文はアラビア語)。
「夜明け前の2時半頃、隣人からの電話で自分たちが暮らすマンションが破壊されると知り、『まだ何も知らない自分たちが中にいるのに』と驚きました。何も持ち出せないまま、下に駐めてあった車で遠くに避難して間も無く、マンションは空爆で完全に破壊されました。それは一瞬のことでした。ここで私と一緒にいた人々は、一般市民です。なぜイスラエル当局がここを空爆したのかといえば、それは『戦略的』な理由によるものなのでしょうが......ここに暮らす人々が危険人物だとでもいうのでしょうか。アラブ諸国の皆さんには、ここは私たちパレスチナ人の土地、アラブの土地だということを今一度お伝えしたいです。また国際社会には、こう伝えたい。国際社会が公正でなければ、弱者は勝つことができないのです。残念ながら、勝つのは強者です」
ニュースに映るのは「武装勢力の拠点を爆破」といった言葉ですが、その裏では多くの無名の人々が、これまでに積み重ねてきた大切な生活を奪われています。
今回はガザ側から発射されたロケット等で、イスラエル側の市民にも犠牲が出ています。また、イスラエル人だけではなく、西岸(ヘブロン近郊)からイスラエル側に出稼ぎに来ていたパレスチナ人もハマースによるロケットの犠牲になり、死傷者が出ています。JVCとしては、市民を傷つけるいかなる暴力にも反対するとともに、全ての関係者に対し武力の抑制を求めたいと思います。
(文章作成:並木、インタビュー翻訳:並木、インターン勅使河原)
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