残念だったのは、子どもたちが素晴らしい詩を披露したのに、保護者たちの姿が多く見受けられなかったことです。この日を前に、ボランティアたちは近隣の家を一軒一軒回り当日参加するよう促しました。
しかし、土曜日だったにも関わらず「忙しい」などの理由で数人しか現れませんでした。マイクの音声を通して少しでも多くの人に届いたことを願うばかり。
子どもたちの活動に関心を持ってもらうこと、ゼノフォビアなど地域に関連する重要なイシューを語り合う場を創ることの難しさを、ボランティアたちは改めて思い知らされました。
ゼノフォビアをなくそう!子どもたちが立ち上がる
活動地の一つ、ヒャンガナニ村のドロップインセンター(DIC)で、ゼノフォビアをテーマにした啓発キャンペーンがDICボランティアの企画で実施されました。
今年に入ってから、南ア全土で外国人が経営する商店が焼かれ、多くの外国人がコミュニティから追い出されるなど、ゼノフォビア騒動が続きました。ヒャンガナニ村は南ア政府の政策の一環として建てられたRDPハウスと呼ばれる貧困層向け住宅が整然と立ち並ぶ地域。もともと伝統的な首長の配下になく、RDPハウス建築によって「つくられた」コミュニティです。そのためか、さまざまなトラブルを抱えた人たちがリンポポ州内もしくは南アの他地域からも移り住んできます。また、モザンビークやジンバブエなど近隣諸国の人びとも多く暮らし、さまざまな人種、言語、文化が入り混じる地域です。「ヒャンガナニ」とはツォンガ語で「ごちゃ混ぜ」を意味することからもその状況がうかがえます。
この地域で、今まで目立ったゼノフォビア騒動は起きていないものの、問題の火種となり得る差別意識は常に存在しています。今までも子どもたちの間で外国人を差別するような発言があったり、他地域の子どもたちにヒャンガナニ村は貧しいからとバカにされいじめにあうケースがありました。これらの問題について意識を高めるため、今回の啓発キャンペーンが実施されました。
この日のために、DICに通う子どもたちがボランティアと一緒に詩を書きました。
「私たちはみんな同じ」
「私たちはみな、アフリカの同じ大地でうまれた」
「一人ひとりがゼノフォビアをなくすために声をあげよう」
みんなで声を揃えて読まれた詩は3分ほどの短いもでしたが、力強いメッセージが込められていました。
「ゼノフォビアを踏み倒せ!」
と、子どもたちが足を地面にたたきつけるシーンは心に響きました。
この詩を読んだ子どもたちの中には、モザンビークやジンバブエの出身の子どもたち、親をもたない子どもたちも含まれています。
残念だったのは、子どもたちが素晴らしい詩を披露したのに、保護者たちの姿が多く見受けられなかったことです。この日を前に、ボランティアたちは近隣の家を一軒一軒回り当日参加するよう促しました。
しかし、土曜日だったにも関わらず「忙しい」などの理由で数人しか現れませんでした。マイクの音声を通して少しでも多くの人に届いたことを願うばかり。
子どもたちの活動に関心を持ってもらうこと、ゼノフォビアなど地域に関連する重要なイシューを語り合う場を創ることの難しさを、ボランティアたちは改めて思い知らされました。
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