※この記事は2019年7月31日に、アフガニスタン事業ボランティア 白川 麻子によって書かれた記事です。
アフガニスタンのクリケット事情
クリケットというスポーツはご存知ですか?ボールとバットを使ったスポーツで野球の前身とも言われ、サッカーに続いて世界の競技人口第二位の人気スポーツです。アフガニスタンでも国民的スポーツと言えるくらい、大人気。子どもたちが通りや広場でクリケットをして遊んでいる風景もよく見られます。日本ではあまり知られていませんが、4年に1度開催されるクリケットのお祭り、ワールドカップも行われています。パキスタンでは、クリケットの元スター選手イムラン・カーン氏が昨年、首相に就任し、話題となりました。
出典:SPAIA https://spaia.jp/column/cricket/2430
イギリス発祥のスポーツですが、アフガニスタンやインドでも特に人気のスポーツです。アフガニスタンでは19世紀半ばから開始し、1990年代にパキスタンのアフガン難民の間で人気となったことがきっかけで、国内でも盛んになりました。タリバン政権下ではほとんどのスポーツが禁止されていましたが、唯一クリケットだけが2000年に許可されています。それ以降、急速に人気を強め、ナショナルチームも結成されました。その後2015年に初のワールドカップ出場を果たしています。
イングランドとウェールズでワールドカップが開催され、開催国のイングランドが初優勝しました(5月30日~7月14日)。出場できるのは強豪の10か国のチームのみであり、その中にアフガニスタンが選ばれています。惜しくもアフガニスタンは決勝トーナメントまで勝ち進むことはできませんでした。JVCのボラチームでは、皆で誘い合わせて6/24のバングラデッシュ戦、6/29のパキスタン戦の二試合をスポーツバーで観戦してきました!得点の付け方やルールの新鮮さにみんな大興奮。大変盛り上がりました。
ボラチームの活動はこちらから
クリケットのルールでは、各チーム11人のプレイヤーで行われ、野球でいうところのピッチャー(ボウラー)が一人、バッター(バッツマン)が二人います。バッツマンが立っているエリアにあるウィケットと呼ばれる3本の棒がポイントです。ボウラーが投げたボールがウィケットを倒した時点でアウトとなり、これを阻止するのがバッツマンの役割です。一方、バッツマンはボールを打った後ウィケットに向かって走り、ウィケットに到達すると得点が入ります。一試合に攻守1回ずつが基本で、10アウトで攻守交代となります。そのため、1イニングが終わるまでに1日かかることもあります。
このように、非常に時間がかかるため、休憩として2時間に1回「ティータイム」の時間が設けられています。とても優雅ですね。クリケットはイギリス発祥であり、紳士淑女のスポーツでもあるのです。
アフガンで最も注目されている選手、ラシッドカーン選手は、世界トップクラスのクリケット選手(ボウラー)です。彼はJVCのパートナー団体、YVOの活動地でもある、ナンガルハル州ジャララバード出身で、19歳で2018年のクリケットワールドカップ予選での主将を務めたこともあります。2019年のワールドカップでも、チームのメンバーとして選ばれ出場し、活躍しています。YVOスタッフにもこの選手のことを聞いてみると、やはり彼の活躍ぶりを、興奮した様子で話していました。このワールドカップ参加中に、彼は国際試合に100回目の出場を果たしたそうです。今後の活躍からも目が離せませんね!
出典:QUORA https://www.quora.com/Who-is-the-best-spin-bowler-between-Kuldeep-Yadav-and-Rashid-Khan
以上、今回はアフガニスタンのクリケット事情を取り上げましたが、いかがでしたでしょうか?クリケットはパキスタンのアフガン難民の間で流行し、アフガニスタンで人気となったスポーツという意味で、アフガニスタンとパキスタンの交流の懸け橋となるスポーツと言えるでしょう。今後もクリケットというスポーツを通じて、国家間の交流が深まることが期待されます。
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