コリアンダーチャレンジ・その③~初出荷
(その②からの続き)
7月のはじめに迎えた初出荷の日。
チョムノーさんは初出荷の日にどうしてもの用事で外出しており、JVCが代理収穫したので記録がないのですが、ボッパーさんはしっかり密着できたので、その様子をお伝えします。
初収穫から、出荷までの様子を動画にまとめているので、まずはこちらをご覧ください。本当に嬉しそうで、こちらが笑顔になってしまいました。
動画にも出てくるとおり、ボッパーさんは2016年にJVCが支援したため池やJVCの研修を活用して、家庭菜園をどんどん豊かにされました。そして今回、初めてシェムリアップの街に菜園の野菜を出荷するところまで来たのです。
(初出荷に笑顔満点のボッパーさん)
11月現在、ボッパーさんとチョムノーさんのコリアンダーは、毎週定期注文が入るようになり、店の看板メニューのタコスに使われています。
(シェムリアップのTHE LOCAL TIME VILLAGEで食べられます!)
先日、出荷するだけでなく、どういう場所でどう使われているのかを知るために、皆で試食にも訪れました。
ボッパーさんもチョムノーさんも、「メキシコ」の「タコス」を知るところから。慣れない料理に、始めはちょっと警戒していたようでしたが(私もカンボジア料理で同じなので、よく分かる笑)、最終的には「美味しい!」と大満足の2人。
(自分たちのコリアンダーが使われているお店で!)
この訪問の狙いは、「買いたい」と言ってくれている人の声を直に聞いてもらうこと。
私やスタッフを通じて伝えるよりも、より心に届くかな?と考え、レストランの責任者の方に直に、「なぜわざわざあなた達から買いたいと思っているか」を伝えてもらいました。
(顔の見える人から、国産の自然たい肥のものを買いたいんですと、その価値を直に伝えてもらいました)
ボッパーさんもチョムノーさんも、「コリアンダーを育てるのは初めてのことで、難しいこともあったけれど、楽しい」「本当に売れるのか不安だったけれど、いい結果になってよかった」と、前向きなコメントを残してくれています。
ボッパーさん宅には、「コリアンダーを育てている」と聞きつけた人が、「売ってほしい」と通ってくるようにもなったそう。何でもそのお宅の方は、コリアンダーが大好きだそうで・・・。村では意外とつくっていないんです。そんな予期せぬ嬉しい出来事があるのもまた、楽しみのひとつかもしれません。
なお、現在上述のレストランからは、他の野菜の発注もいただいており、JVC試験農場でのテスト栽培をおこなっているところです。年度内には、事業地の農家さんで希望のある方に、生産をバトンタッチできたらと思っています。
村で生産するドライハーブの出荷先のRoselle Stones Khmerさんもそうですが、「自然たい肥・国産・なるべく生活が大変な方から買いたい」というような心強いパートナーの存在が、事業地・コンポンクダイの様々な可能性を広げてくれるように感じます。
JVCのようなNGOと村の皆さんだけで何かをやろうとするよりも、もっともっと広い世界に行くことができると思っています。
そして、「あなたから買いたい」というパートナーの声を直に村の方々に届けることは、なかなか村から出る機会のない皆さんにとって、本当に貴重な経験になり得ます。
Roselle Stones Khmerの代表・西口さんは、初めてJVCの事業地に視察に来た際、「ここは私たちにとっては宝の山のようです。こんなに素敵な農家さんが、こんな風に自然に育てているハーブがあるなんて!ぜひうちに出荷して欲しい。一緒に取り組みたいです」と言いました。
「宝の山」ということを皆さんに伝えたとき、皆さんはにかんだような、とても嬉しそうな表情をされていたことを、よく覚えています。
農村での暮らしは厳しい面も本当に多いですが、そんな中でもこんな風に前向きにトライする方々と、「あなたから買いたい」というパートナーの存在を見ると、何だか力が湧いてくるような気がします。
「買ってもらう」という一方的な関係ではなく、「いい原料がないと良いものはできない。だからともに良いものをつくっていくパートナーでありたい」という人たちとの出会いが、この農村に新たな風を吹かせてくれるのではないでしょうか。
(研修を受ける時の皆さんの真剣な表情)
また出荷する野菜が増えてきたら、進捗報告ブログを更新します。
引き続き、カンボジア事業の応援を、どうぞよろしくお願いいたします!
(最近、梱包をバナナの葉に変えました)
出荷の際の梱包、「都会にはプラスチックの方がかっこいいのではないか。視察に行ったスーパーも全部プラスチックだった」と始めは言われてしまいましたが、「最近はこれが最先端なんだよ」と、タイのオーガニックスーパーのバナナの葉の梱包を見せたところ、「これが最先端なの?簡単にできるよ」といって採用してくれました笑。
村ではバナナの葉で蒸したお米のおやつなどが普通にあり、どこでも手に入る「梱包材」です。都会に出荷する"よそ行き"梱包スタイルにはそぐわないのではないか?と思ったそうですが、バナナの葉でいいなら楽でいいわ、とのこと。
都会や日本の暮らしから見ると、バナナの葉、なんて魅力的な梱包!と思いますよね。村の当たり前の暮らしって、都会から見ると、とても魅力的にうつる部分も多いです。
そんなことも、事業地の皆さんにどんどん伝えていきたいな、と思っています。
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