職業訓練開始!―登録していないのにやってきた青年―
南コルドファン州カドグリの避難民地区には度重なる紛争の影響を受け、十分な教育や、就職に役立つスキルを身に付ける機会を得られなかった若者が沢山います。さらに親が他界、または反政府地域にいる等の理由で、家計を支える必要があるにも関わらず、働き口の少ないカドグリでは職を見つけるのは容易ではありません。そのため、雨季には農業、乾季には木炭作りに従事している人々が多いですが、インフレが世界トップクラスの年率400%を越えるスーダンでは大変厳しい生活を強いられています。
そこで、「技術を身に付け、職を作る・得る」ことを目指し、避難民地区の若者を対象に8月から職業訓練を開始しました。年齢、家族の状況、教育的バックグラウンドを考慮した上で、約120名選定し4職種(溶接、リキシャ・トゥクトゥクのメカニック、縫製、食品加工)に分かれて実施しています。
(縫製の訓練に参加する、左からナスリーンさん、フダさん、スーサンさん)
3人とも紛争のため、隣国南スーダンに位置するイーダ難民キャンプで4~9年に渡り生活していました。前政権が崩壊し、政府地域と反政府地域の移動制限が緩和され、最近カドグリにやってきました。イーダでは英語教育を受けていたため、英語でコミュニケーションを取ることができます。
(メカニックの研修生のために自ら製作した作業着を着てみせるスーサンさん)
フダさんは職業訓練に参加した経緯を語ります。
両親は現在も南スーダンにいて、カドグリでは伯父と住んでいますが、家族を助けたいのです。JVCにはとても感謝しています。これからもトレーニングを続けて将来に活かしていきたいです。私たちだけでなく、他の人もぜひ参加する機会があればと願っています。
彼は最初の登録リストには入っていませんでしたが、近所の人に聞いたと言って、オープニングセレモニーの日にやって来ました。年齢も25歳と対象年齢よりやや高かったのですが、彼のやる気と熱意を聞き、急遽受け入れることにしました。
高校を卒業後は農業で生計を立てていますが、十分でないと言います。生まれつき脚に障がいがあり、移動する際には松葉杖が必要ですが、毎日自転車に乗ってやってきます。
「家に帰ったら、ノートを見て復習するんだ」とトレーナーが説明したことを熱心にメモします。初日からノートとペンを自分で用意して持ってきたのは、約30人のうちたった1人、サーリムさんだけでした。
最後にサーリムさんからのメッセージをご覧ください。
今後、職業訓練に加え、社会で働く上で必要となるコミュニケーション能力・問題解決能力等を養うライフスキルトレーニングや実際の工房での実地訓練を通して、就職のサポートを実施していきます。
まだ開始して間もないですが、出席率は非常に高く、やる気に満ち溢れています。どの研修生も「仕事を得て家族を助けたい」という気持ちが強く、高いモチベーションで参加しています。日本からも応援よろしくお願いいたします。
世界はあなたの小さな一歩から大きく変わります。
私たちが世界をより良くする活動は、
皆さまのご寄付・ご支援に支えられています。
日本国際ボランティアセンターでは
マンスリーサポーターや物品寄付をはじめとする様々なご支援を受け付けています。
良い世界の実現のために私たちの活動を応援してください。
JVCのことをまだ知らない、あまり知らない方はまずはこちらをご覧ください。