魚保護地区を設置しました
ラオスの川でとれた小魚
「この15年くらいで魚が少なくなった。森が伐られ、川の水が減り、町からくる仲買人に魚を売るようになったからだと思う。」
このように話すのは、ラオス・ナライコーク村の副村長。
経済第一の開発による影響で川の水が減ったり、村人同士での明確な取り決めがないために、漁を巡ったトラブルなどが増加。森や川の恵みを使い、共生してきたラオス農村部で大きな問題となっていました。
このような状況を改善するため、JVCは「魚保護地区」を設置。河川の一部を禁漁区域として行政に登録することで、水産資源が減少するのを防ぐことが狙いです。2018~20年度に4村で設置しました。
守るべき規則を設定するにあたって話し合いを重ね、規則を記した資料や看板を村人と協力して設置したことで、川を守っていくうえでの村人同士でルールや保全しようという意識の共有ができました。
村人と魚保護地区を設置
村人や現地の行政官からは、
「魚保護地区では、以前は住民が区域や禁漁を申し合わせているだけでしたが、看板や明文化された規則、その他資料がありませんでした。以前から役員会が保全活動をしてきましたが資料や根拠がないため、規則を守らない人もいました。JVCが規則を明文化して資料や看板にし、郡長からの承認を得ることを支援してくれたため、保全活動に参加していない住民もおのずと理解できるようになり、村外の人にも伝えやすくなりました。」
「最近は販売目的の漁が増えていて、魚がいなくなってしまう危険性があるため、とてもよい保全の手法だと思います。」
「魚保護地区の設置当初は、貧しい世帯が魚を捕る場所がなくなると言われてましたが、魚を保全し、増やす効果などを何度も説明してきたところ、村人の理解を得ることができました。いまでは特に乾季にパーサカン、パーパーク、パークンなどの大きな魚がこれまでよりも多く見られるようになりました。現在もパトロールなどを行っています。対岸の村の人も規則を知っていて、自分たちも設置したいがどうすればよいのかと言ってきました。まずは郡行政に相談すればよいのではと答えました。」
というような声を聞くことができました。
この活動が、多様性に富む豊かなラオスの川と村人との、更なる共生に繋がっていくことを願います。
豊かな川で魚をとる村人
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