REPORT

パレスチナ

ストレス?、ストレス!、ストレス?!

こんにちは、JVCエルサレム事務所の木村です。日本ではコロナウィルス感染・第七波のニュースでもちきりのようですね。ただでさえ今年は例年以上に暑い夏のようですから、感染予防のためのマスク着用が熱中症を引き起こしかねないなど、どうしてよいのかストレスたまりそうですね。

ストレスといえば、先日、東エルサレムで女性を対象にした研修「ストレス対処法」が行われました。今日はその研修の様子をお届けします。
(レポートは現地スタッフのアヤットが作成、現地インターンの谷崎さんが翻訳および編集を行ってくれました)

活動.1

〜 呼吸法ワークショップからスタート 〜

講師は、前回紹介した「交渉術」と同じくサウサンさん。
まずは気持ちを切り替えるということで、深呼吸をすることから始まりました。深呼吸することで、こんな効果が期待されます。みなさんも是非、ここで深呼吸してみてはいかがでしょうか。

・いったん立ち止まり、リラックスする
・静かで安全な環境に導く
・圧迫していたプレッシャーを手放す

活動.2

〜 感情の理解を練習するアクティビティ 〜

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アクティビティで使用した写真のカード

次に、写真を使ったアクティビティを行いました。いろいろなカードの中から直感で、今の自分のフィーリングにあったカードを1枚選びます。その後、参加者それぞれが「写真から読み取った印象」や「選んだ際の自分の感情」について説明しました。

女性たちがどんなカードを選んだのか、カードを選んだ理由など気になりますよね。いくつかご紹介します。

①ハシゴの写真を選んだ参加者
「成長を続けてさまざまな場所に到達し、前進を続ける」

②鍵の写真を選んだ参加者
「人は皆それぞれであり、人脈の輪が大きくなるほどより多くの鍵=ツールを使い、またツールを会得していかなければならない」

③消しゴムの写真を選んだ参加者
「人生において消したり忘れたりしたい問題や出来事がいくつかある」

何だか、みなさん奥深いコメントを発していて、1つのカードを用いて人生哲学を語っているような印象をもちました。実はこのアクテビティにはこんな目的がありました。

  • ・アクティビティを始めた段階での感情を理解する

  • ・その感情がどのように参加者自身に影響を与えているかを理解する

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選んだ写真のカードについて説明する参加者

活動.3

〜 ドアマットにメッセージを書く 〜

続いて、A4の紙を「ドアマット(玄関や部屋の入口の床に敷かれたマット)」に見立てて、そこに何でも良いからメッセージを書く、というアクテビティをしました。

どんなメッセージが書かれたかというと、、、

『心配事は外において中へどうぞ』
『私たちのゲストになってください』
『ここは愛の家です』
『右足から入ってください』

Welcomeの気持ちっていろんな表現ができるんですね。しかし、「右足から入ってください」というのは宗教的な意味があるのかなと思って調べてみたら、イスラム教では右手や右足は神聖なものとみなされているようでした。

ドアマットに単語や文章を書くことで、こんなことへの気づきが促されます。

  • ・人生や家庭に誰が入ってくるかを知る

  • ・彼らの意図や影響を影響を認識する

活動.4

〜人生の車輪〜

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Wheel of Life(人生の車輪)について説明するサウサン講師

続いて、「Wheel of Life(人生の車輪)」というアクティビティを行いました。車輪のような円は8つに区切られていて、それぞれ次の項目が書かれています。

・家族
・精神的アクティビティ
・仕事
・健康
・お金
・人間関係
・成長
・娯楽

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すべての項目のなかで(自分にとっての)優先順位を決めたあと、それぞれの項目の満足度を0~10の数字で自己評価します。

このアクティビティを通じて、参加者は自身を振り返ることができ、日々の生活の中で何にストレスを感じているか気づくこともできます。

活動.5

〜 写真から自分自身の感情を認識する 〜

最後のアクティビティでは、次の写真を見て、お互いに「自分がこの写真の中に存在するとしたらどこか(例:真ん中の岩場に腰かけている、海を泳いでいる)」「なぜその場所や、その行動を選んだのか」を話しました。

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その後、サウサン講師がこの写真をベースにつくった話を聞き、そのときどきの気持ちや感情を表現する言葉を書き出しました。

このアクティビティを通じて女性たちは、

  • ・感情の箱を開けて感情を表現すること

  • ・感情を水面に引き上げテーブルの上にのせる

ことの練習を行いました。また、この練習を通じて、

  • ・自分が強いということ

  • ・自分の生存能力

  • ・自分がプレッシャーに耐えられる

  • ・自分の志が高いこと

など自分自身のことを考えることもできたようです。

インタビュー

研修が終わった後、参加者のひとり・イマーンさんに感想を聞いてみました。

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写真右から3番目がイマーンさん

イマーンさん(38歳)は4人のお母さん。今は自分たちの家で生活していますが、その前は旦那さんのご家族と同居していたようです。

最も困難に感じられたことは?

子どもにより良い教育を与えること、大学生の子どももいます。

研修に参加した理由は?

自分自身を成長させるため、また新しいスキルを学ぶため。

どのようにしてこの研修を知りましたか?

友人からの紹介で、AWCの事務所(研修場所)に来たのははじめて。

どの職業訓練に関心がありますか

ネイル、メイクアップなど美容関係

趣味や好きなことは?

美容関連全般。

今まで受けた研修で最も印象に残っている活動は?

女性と男性の違いについて理解しどのように接するか。他者との関わり方。

9月からはいよいよ職業技術訓練が始まります。その頃にまた、女性たちが活き活きと学ぶ姿をお届けできればと思います。

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