活動終了から2年!元事業地の最新状況
こんにちは。元・カンボジア事業現地代表の大村です。現在は東京で広報グループのスタッフをしています。
2021年3月末をもって約40年の歴史に幕を閉じたカンボジア事業。その後も私は閉鎖の手続きなどのため約1年に渡って駐在を続け、2022年の2月に日本に帰国しました。
そして帰国からちょうど1年経った2023年2月、どうしても気になって居ても立っても居られず、個人的にカンボジアの元事業地を訪問してきました。今日はその様子をお届けします。
今回の渡航に理由は複数あれど、やっぱり一番大きなものは、活動終了からは2年、帰国してからは1年が経った今、活動地はどうなっているのか・・・ということでした。
もちろん然るべき準備をして正式に活動を終えているわけですが、それでも、NGOが活動終了した後、その地域はどうなっていくのか?終わった後こそ大事で、そこまでが関わった自分の責任でもあるのではないか、という気持ちがありました。
結果としては・・・ここには書ききれない程に、元事業地では様々なことが起きていました。それはとても良い意味で。
(懐かしい乾季の空!)
元事業地までは、首都プノンペンから車で5時間。到着早々、元スタッフのPokの家で過ごしていると、大量のドライハーブが納品されました。
元々JVCカンボジアの最後の数年の活動のメインに、村で農薬不使用のハーブを生産してカンボジア国内で販売するというものがあったので、その一環であることは明らかだったのですが、納品に来ていたのは、私が駐在していたこの5年で恐らく1度も見たことがない方でした。話を聞いてみると、「JVCの研修には参加したことがなかったけれど、最近、近所の人に勧められてハーブ生産をやるようになった」と。
なるほど。
研修をしっかり終えた村の方々が自分達で周囲に技術を広めてくれていて、それは当時からそうだったし活動終了後も期待していたことではありましたが、実際にそれが継続しておこなわれていることを目の当たりにできたのは、本当に嬉しいことでした(この気持ち、なかなか書き表せません・・・踊り出したい気分です!)
(今回で3回目の納品だそう!)
(納品ホヤホヤのドライハーブ)
元スタッフのPokはJVC時代、まさにハーブの加工・出荷関連業務の担当でした。そしてJVCの活動終了後は、卸先と契約を結び、コンポンクダイ集落のハーブ全般の出荷と品質管理を任されています。
(相変わらずはじける笑顔のPok(右)です)
はからずも納品に立ち会えたことで、目の前で見たPokの検品作業の頼もしいことと言ったら!スタッフだった当時から仕事が丁寧な人でしたが、その姿勢は変わらず、納品されたばかりのハーブをしっかりと検品していました。
(紛れていた落ち葉を取り除いています)
また、私がいた当時は10種類を超えるハーブの生産と加工をおこなうのが精いっぱいで(スタッフも村の方も)、難易度の高いバタフライピーを扱うのが難しかったのですが、なんと今は自力でバタフライピーも加工&出荷されるようになっていて、なんだかもう…分かっていたけど村の皆さん本当にすごいなぁ、と感無量でした。
(乾燥中のバタフライピー)
(久々に会えたオールー村の農家さんと出荷前のバタフライピー)
後は個人的な訪問ということもあり、ここにはすべて書ききれないのですが、とにかく数日に分けてバイクで集落をまわり、各家庭や歴代掘った水源をまわりにまわり、ともに環境教育プログラムを実施していた小学校にも、最後に一校だけ行くことができました。
菜園が驚く程大きくなってる人も複数いて、こうやって地域に活動が残り、また広がっていくところを自分の目で確認できたことは、今回の大きな収穫でした。
(井戸、ため池は壊れているものがないかチェックを)
(私がいた頃よりさらに菜園を広げて収入を増やしている人も!)
(こちらは学校。校庭に木陰をつくっている木々は、JVCと集落の皆さんが環境活動の一環で一緒に植えたものです。本当に大きくなりました)
(私が駐在するよりずっと前に行われていたゴミの分別研修が、今もなお学校に根付いています)
(水源の水を使って学校菜園もおこなわれています。給食として活用されます!)
今回の訪問後、自分が見てきたものを周囲の人に話したり、文章でレポートする機会が複数あったのですが、その中でとても印象的だったコメントをここで紹介したいと思います。
「この話を読んでいて、スケールアップという言葉を表面だけで捉えるのではなく、こういうことをスケールアップって言うんだよ、と言いたくなりました。」
・・・たしかに!
「スケールアップ」というとどうしても表面的な大きさや価値を想像してしまいがちですが、こういう、小さいけれどもたしかな、村の方々の横の繋がりや実践の広がり、脈々と受け継がれていく活動・・・まさにこういうことこそ、「真のスケールアップ」と言えるのかもしれません。
これを当たり前におこなっている村の皆さんのパワーを、ただただ感じるばかりです。
ここに書いたのは大きな出来事のみで、もちろん良いことばかりではなく、身体を壊して農作業ができなくなっている人もいたし、細かい色々な事情もありました。それらはもう、これから長く人間同士の関係を続けていく中で、できる限りサポートしたりケアをしあえたらと思っています!
(原因不明の足の腫れで歩けなくなっていた方。こうなると農作業で収入を得ることはできない。何か別の方法を考えたい)
最後に大事なお知らせです。
元事業地コンポンクダイで生産されているハーブは、カンボジア国内(プノンペン)の小さな工房で丁寧な手作業のうえ製品となり、現在カンボジア、香港、日本の3か国で販売されています。これまでもたびたび紹介したことがありますが、そう!日本でも購入できちゃうんです。
ご自身の体調や気分に合わせて、ぴったりのブレンドを選んでみてくださいね。
(7/13)追記:もうひとつ、取り扱いブランドが増えました!
ON T'ADORE(オンタドール)というフレンチスタイルのハーブティー文化を提案する新ブランドさんでも元事業地のハーブの取り扱いが始まり、こんなにカワイイ商品になりました!
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【祝】新ハーブティーブランド誕生!ロフトで取り扱いスタート
というわけで今回は、活動終了から2年が経ったカンボジア事業地の様子をお届けしました。また皆さまにお目にかかる日を楽しみにしています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(今回も元スタッフ・ドライバーのリツさんの安全運転のお世話になりました~)
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