50年越しの夢「私も学びたい」―戦争勃発から1年 #3 ―
簡易な教室建設のために葦を運ぶ女性
「 学校に行く ということは、 ” 安全な場 ” で学べ、外の ” 危険 ” から守られるということでもある 」
「 教育を 受けることによって紛争・衝突を防ぐ足掛かりになるだけでなく、子ども 兵士 や児童労働か ら子どもを守ることもできる」
「日本が発展してきたのも、人々が教育を受け、技術・知識 を手に入れてきたから 。 私たちも それに 学びましょう」
「兄弟たちは皆学校に行ってましたが、私は幼くして結婚したこともあり、 1回 も勉強したことはありませんでした。役所で掃除や給仕などして働いていましたが、ずっと勉強したい!という願望を持っていました。私たちの望みにハリールさんが応えて くれた の です。アラビア語の文字の書き方を学んだので、娘が補習校で学んだことを一緒に確認で きるようになりました。識字教育はまだ続きがありますし、読み書きが問題なくできるよう になって、朝の学校に 進学し、なんなら大学まで行きたいです。」
「 幼稚園には通っていまし たが、戦争のせいで勉強を続けることはできませんでした。私もずっと勉強したいと熱望し ていましたが、結婚してからは代わりに子どもたちに教育を受けさせることが私の目標に なりました。そして無事に卒業させることができました。
私も読み書きができれば、携帯電 話で友人や親戚の名前や番号を登録することができるし、聖書も読むことができると思い、 識字教育に参加しています。今後も 引き続き 読み書きのレベルを上げ、ハリールさんのよう な先生になるために大学に行きたいです。
他の女性たちにも一緒に識字教育に参加するよ う 呼びかけています。コーヒーを飲みながら、子どもたちに教育を受けさせることの重要性 についても話しています。例えば、先月も子どもたちが送金をしてくれましたが、もし教育 をしっかり受けさせていなかったら、こうやって私が受け取ることもできていなかったで しょう」
「教室もなく、机や椅子も十分にないので、壁の陰に入って教えています 。それでも学力の向上だけにとどまらず、 教育 への 関心 が高まり 、子どもを補習校に積 極的に通わせるように なっています 。さらに時間を守ったり、市場で本当に必要なものだけ 購入するといったような家計管理がしっかりできるようになったと聞いています。」
ルフ地区の紹介をしましたが、識字教室が開始したのはここだけではありません。
サンマと
サンマ地区で緊張した面持ちで識字教育に参加する女性たち。奥には男性の姿も。
スーダン事業 ハルツーム事務所現地代表/イエメン事業担当
京都府出身。大学でアラビア語を専攻し、在学中にイエメンに留学。語学以外に現地の宗教、文化、慣習等を学ぶ一方で、革命や紛争の影響等でライフラインが崩壊した生活、教育を受けられない子どもたちや仕事を失う大人たちを目の当たりにする。
卒業後は途上国・新興国のインフラ支援に携わりたいとの思いで、メーカーにて発電プラント事業を担当。もっと現地の人々に寄り添いながら、可能性が広がることに尽力したいという思いが大きくなり、2018年JVCに入職。好きな食べ物は(料理しないけど)かぼちゃを使った料理。
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