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ガザ

暗闇の一年:ガザからのメッセージ

あの日から、1年

昨年10月7日のイスラエル軍によるガザ地区への攻撃開始から、1年が経ってしまいました。

ガザではこれまでに少なくとも41,909名が殺害され(4割が子ども、3割弱が女性)、97,303名が負傷、1万人以上が行方不明となっています。

現在も190万人が避難生活を強いられ、イスラエル軍が次々発する避難勧告に人々は右往左往しています。攻撃の恐怖に怯えながら、家族の食料や水を探し回る日々。壊滅的な医療と衛生状況の中、全人口が感染症やその他の病気のリスクに晒されています。

今日10月7日、イスラエル軍はガザ北部の広い地域に避難勧告を発出しました。1年近く中部・南部と切り離され、徹底的な攻撃を受けてきた北部に対し、再び大規模な軍事作戦を行うとしています。

2023年7月時点で、北部には40~60万人の市民が残っているとされ、家族に高齢者や障がいを持つ人がいるため移動できないケースも多くあります。

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ガザの陰に隠れ、ヨルダン川西岸も過去20年で最悪の状況です。

昨年10月7日以降、西岸では異例の空爆を含む軍事侵攻が繰り返され、ユダヤ人入植者による暴力も急増。これまでに895名が殺害され、15,307名が負傷、1万人以上がイスラエル軍に拘禁されています。

また攻撃はパレスチナだけでなく、レバノンにも拡がっています。

10月1日にはイスラエル軍がレバノン南部に地上侵攻を開始、それに伴い首都ベイルートなどへの空爆も激化。レバノンではこれまでに2,036名が殺害され、9,535名が負傷しています(10/5現在、レバノン保健省)。国際赤十字によると、120万人が避難民となっています。

ガザの人々はこの1年間、「支援よりもとにかく停戦を」と叫び続けてきました。その叫びが聞こえないかのように、毎日毎日かけがえのない命が奪われ続け、人々は国際社会への失望と不信感を募らせています。

バッシャールからのメッセージ

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10月7日に寄せた、JVCのガザ現地スタッフ、バッシャールからのメッセージです。


「紛争開始から1年が経ち、ガザの市民は悲惨な人道状況に苦しんでいます。インフラは破壊され、基本的な公共サービスは復旧せぬまま、住民の苦しみに拍車をかけています。多くの人が損壊した家やテントで暮らし、深刻な食料や医薬品不足に直面しています。このような困難にもかかわらず、市民は平和と安定への希望にしがみついています。誰もが希望と平和のうちに生きる機会を求め、尊厳ある生活を送ることを望んでいます。ガザを再建し、恒久的な平和を達成するためには、国際社会の力と支援が今すぐ必要です。より良い明日への希望は、今も私たちの心の中で、消えることなく燃え続けているのです。」


これ以上、市民の命や尊厳が犠牲にならないように、JVCは一刻も早い恒久的な停戦を訴え続けます。



2024年10月7日 JVCパレスチナ事業

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