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ルファイダ小学校で亡くなったAEIスタッフ~無残に破壊されたミルクのパック

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無残に破壊されたミルクのパック

10月10日にお伝えしたJVCのパートナー団体であるAEI(アルデルインサーン)スタッフが他団体と連携して実施していた人道支援活動中に死傷した件に関して、現地からその後の話が伝わってきました。

情報を伝える側にとっても受け取る側にとっても辛い話になりますが「何人が亡くなった」「何人が負傷した」という報道の裏側にある、それぞれの人たちの生きてきた人生や温度感も感じていただければと思い、お届けいたします。

こちらは、現場であるルファイダ小学校に残されたがれきの写真です。

ピンクの袋は、AEIのスタッフたちが、栄養状態の悪化する状況下で何とか子どもたちに栄養をとってもらいたいと配布をしていたミルクのパックです。

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AEIスタッフが配布していた乳児用ミルク(ピンクのパッケージ)

マフムードさんとガイダーアさん、二人の横顔

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マフムードさん(写真中央)ガイダーアさん(写真左)の活動時の様子

今回犠牲となったマフムード・アブー・タイムさん(28)とガイダーア・アブー・ラフマさん(24)のお二人は、大学で看護学を学んだ後、ガザ地区が直面している状況を改善するため、5歳以下の子どもたちの栄養状態評価を行うチームの一員として、妊娠中および授乳中の母親を栄養失調から守るための活動を行っていました。

マフムードさんは、子どもたちに優しく接する穏やかな性格で、大変なフィールドにも自ら赴くなど、献身的に仕事に取り組んでいたそうです。

ガイダーアさんは、高齢のお父さんとお母さん、障碍のある27歳のお姉さんなど、7人の家族の暮らしを一人で支えていたそうです。啓発セッションの図解や説明の仕方を工夫して、お母さんたちにより分かりやすく内容を伝えるようにしたりと、積極的に活動を続けていました。

10月10日当日は、多数の避難民が生活しているルファイダ小学校内で働いていましたが、学校がイスラエル軍機の爆撃を受け、彼らの仕事場に隣接する部屋が爆撃されたことで、援助関係者数十人、そして多くの市民と共に犠牲になりました。

二人を失ったことで、この困難な状況下でも子どもたちに健康と栄養を届けたいと志を共にしながら働いてきたAEIのスタッフたちの間にも大きな動揺と悲しみが広がっています。

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爆撃後のルファイダ小学校の様子

ご遺族の苦しみ、一命を取り留めたスタッフも手足を切断することに

お二人が亡くなった後、共に働いていたAEIのスタッフたちは数名でご遺族を訪問したそうです。

亡くなられたスタッフのお一人、28歳だったマフムードさんのご遺族はずっと泣き叫んでおられたそうで、訪問したスタッフも辛い思いをしてきたようです。

もうお一人、まだ24歳だったガイダーアさんのお父さまは、以前から娘がフィールドに出て働くことは危険だと心配されていたそうです。その胸中は察するに余りあります。

また、負傷者のうちの4人は退院できましたが、2人はまだ入院中。そして、入院中のうちの一人であるユーセフさんは、なんとか一命は取り留めたものの、腕と脚を切断することになってしまったそうです。

(先日、私たちが初動で発表した時点の情報では、2人死亡5人負傷でしたが、その後負傷者は5人でなく6人だったことが分かりました。現場の混乱が伝わってきます)

彼らは数字ではない

2023年10月7日以降、ガザ地区での死者は4万2千人を超えました。

数字に表すと、たったの数文字です。しかし、JVCのガザフィールドコーディネーターのバッシャールも繰り返し訴えているように、彼らは数字ではなく、「数字」の裏側には、それぞれの人生を必死に生きている人たちがいます。

私たちの想像を絶する地獄のような状況の中を何とか生き延び、自分たちがいつ命を奪われるか、1日の終わりに無事に家族と会えるかという不安や恐怖と闘いながらできる限り力を尽くしてきた彼女たち、そして、その支援を受け取るために学校に集まっていた母子が無差別に命を奪われてよい理由などありません。

昨年の10月7日以降、この記事をご覧になっている方も何度も憤り、胸が締め付けられるような苦しい感情に襲われてこられたと思います。

また私たちも、ガザから届く言葉を失うような状況に何度も無力感に襲われながら活動を続けています。

無力感に襲われながらも、足を止めるわけにはいかない。

どうか、引き続き私たちと共にガザから目を離さず、声を、支援を届け続けてください。

それが、失われてしまった彼女たちの願いでもあり、いまガザで苦しむ人たちにとっての助けになります。

パレスチナ・ガザ緊急支援

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電話:03-3834-2388
FAX:03-3835-0519
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