ルファイダ小学校で犠牲になったガイダーアさんの人生の軌跡
AEIスタッフから、2024年10月10日にルファイダ小学校への爆撃で犠牲となったガイダーアさんの生きてきた軌跡を綴った文章が届きました。
まだ24歳だった彼女は、難民として生まれ育ちながらもこの困難な状況下で他者の役に立ちたいと、命の絶たれるその時まで、懸命に生きてきました。
彼女が生きてきた証をできるだけ多くの方に知っていただきたい、そんな追悼の思いを込めて一部を抜粋してここに掲載します。
マフムードさん(写真中央)ガイダーアさん(写真左)の活動時の様子
ガイダーアは、2000年にヌセイラート難民キャンプで生まれました。
彼女の家族は、1948年に占領されたラムレ地区のアケル村に住んでいましたが、銃口を突きつけられてガザの難民キャンプに移ってきました。
困難で過酷な状況に耐えながらキャンプで生まれ育ってきましたが、苦しみの最中にある仲間たちのための希望の光を求めて闘い続け、そしてその闘いの最中に犠牲となり、夢を実現することはできませんでした。
ガイダーアは、ヌセイラート難民キャンプのUNRWA学校で小中学校を修了し、高校卒業資格を取得した後、アル・アクサー大学に入学し、一般看護学士号を優秀な成績で取得しました。
10月7日以降すぐに、保健省のヌセイラート保健センターでの人道的ボランティア活動やデイル・アル・バラのアル・アクサー病院でのボランティア活動を始め、病人や負傷者に保健・看護サービスを提供してきました。
その後、AEIで働くことになり、強制的に家を追われた避難民のためのシェルターであるAEIで、患者や妊婦、子どもたちに保健・人道サービスを提供していました。
彼女の仕事の中には、多数の避難民を収容しているルファイダ小学校で避難民に治療と必要な支援を提供することも含まれていました。
非常に厳しい状況の中、その苦しみを和らげようと献身的に努力する姿は、苦しい状況下にある人たちにとっても大きな助けになっていました。
2024年10月10日、ルファイダ小学校での人道支援活動の最中に、彼女は犠牲になりました。
AEIに所属する保健チームの一員として、学校内の医療ポイントで働いている際、学校がイスラエル軍機の爆撃を受け、彼らの仕事場に隣接する部屋も爆撃を受け、彼女を含めて数十人の人道支援関係者と、多数の一般市民の命が奪われたのです。
爆撃後のルファイダ小学校の様子
彼女を失ったことは大きな損失です。
ですが、彼女が残したこと・成し遂げた仕事は人々の心の中に生き続け、困難な状況下での医療と社会的ケアの成果として評価、記憶されるでしょう。
彼女の心は、彼女を知るすべての人、特に彼女の支援を受けた人たちの記憶に刻まれ続けるでしょう。
彼女の死は、人道的支援の重要性と、困難なときに他者に支援の手を差し伸べる大切さを思い出させるでしょう。
彼女の献身的な優しさは決して忘れられることはなく、彼女の記憶は、家族や愛する人たちの心に永遠に残るでしょう。
彼女は、高齢の父と母、障碍のある妹をはじめとする7人の家族の生活を、ひとりで支えており、また他者のために働き続けていました。
彼女が生きた、その存在は、誰にとっても誇らしいものであり続けるでしょう。
ガイダーア・ユーセフ・ムハンマド・アブー・ラフマに神の慈悲があり、永遠の安息が与えられますように。
AEIスタッフ一同
こうして人生の軌跡を振り返ることで、一人一人の生と死の重みを強く感じます。
失われた命は帰ってくることはありません。
改めて、一刻も早い停戦を願います。
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