【ガザ】子どもと妊産婦の栄養支援を続けています
2024年10月、安全上の理由で4月から活動していた避難所となっていた学校から、活動地をテント避難民が多く集まる地域に移しました。写真のプレハブ小屋を購入するまでは、地主の方がご厚意で土地やテント、いす・机などを貸してくれ、現在も保護者への講習用にテントを2棟貸してくれています。
地主の方は「この大変な時だから、自分の土地が役に立つならぜひ使い続けてほしい。もし他にも土地に困っている支援団体がいたら紹介してくれれば。」と言っていたそうです。
テントであれば、何かあったら解体して移動しやすいということもあり、活動拠点にテントを購入するという選択肢もありました。
しかし、ガザは現在、冬で激しい雨風に見舞われる日も少なくありません。地域によっては避難者の人々が使っているテントが浸水したり、穴が開いてあちこちから雨漏りしたりと、問題が尽きません。
現在の栄養支援活動では、パートナー団体AEIのスタッフとボランティアさんたちが、一日4~5時間ほど滞在する必要があります。浸水や雨漏り、寒さ、足元のぬかるみなどで活動が中断されないよう、プレハブを購入しました。
プレハブ自体は、電気や水道、トイレなどもなく非常にシンプルなものですが、現場で働くスタッフからは「テントよりずっと快適に活動ができる」と好評です。
栄養支援では、生後6~24カ月の子どもの栄養状態の確認検査と保護者への子育てカウンセリングを行っています。国際的な栄養支援の基準に沿って作られた、高栄養のビスケットやミルクなどの配布、保護者と妊産婦への講習も実施しています。
簡易的に栄養状態を判断するため、上腕周囲を測るラウドさん(現地パートナー団体AEI)
本来であれば、栄養はバランスよく多様な食物から摂取するのが理想的です。しかし、残念ながら現在のガザではお金を持っていたとしても、ガザに搬入できる支援物資や商品は種類も数も非常に限られており、多様な食物を手に入れることはできません。
元々、人口の5割前後が貧困であったガザは、今回の攻撃で、さらに仕事や財産をなくしています。
そんな中、多少の上下はあるものの、物資不足のため物価は跳ね上がり、以前にも増して食料を手に入れることができなくなっています。また、ガザ内への現金の流入も許されていないため流通する現金が減り続け、現金を手にすることも難しくなっています。
そのような状況の中で、一時的にでも子どもや妊産婦の栄養状態を改善することには意味があります。ガザのJVCの現地スタッフは言います。
配布している栄養補助食品を摂取している子どもたちは、目に見えて栄養状態が改善しており、最初に見た時よりも活気が出ています。
おもちゃなども購入できない中、子どもとコミュニケーションをとりながら遊ぶ方法などを伝えるセッション
保護者向けの講習では、衛生行動、子どもや妊産婦の栄養、などについての知識を共有しています。また、ほとんどの人がテントなどで避難生活を送っており、プライバシーもなく家族の世話に追われている中、こうしていつもとは違う人と接して話をすることは、良い気分転換ともなっています。
この活動は、皆様からのご支援で継続することができています。現場のJVCスタッフやパートナー団体AEIも、ご支援してくださる皆様に感謝を伝えてほしいとのことでした。
未だ停戦には至らず、人々は苦しみ続けています。停戦になっても健康を含むこの15カ月の間に人々が失ったものを取り戻すには莫大な時間と労力がかかります。
これからも現地の人々と活動を継続していけるよう、どうか、引き続きご支援よろしくお願いします。
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