【ガザ】北部で医薬品の支援を開始しました
現地パートナー団体PMRS(パレスチナ医療救援協会)を通じたガザでの緊急医療支援第3弾として、ガザ北部で医薬品の配布(処方)を開始しています。
3月末、ガザ市のPMRS拠点に届いた医薬品
3月18日に停戦が破られて以降、ガザ全域の人道危機がこれまで以上に深刻化しています。3月2日以来、ガザに支援物資は一切入っておらず、23年10月以降で最長となる完全封鎖が続いています。
今回のJVCの支援では、3月2日以前にガザ内に入っていた医薬品を調達しています。
PMRSはガザ各地で活動しており、今回支援する医薬品はガザ北部の5拠点で活動する医療チームによって、医師の診察を経て必要とする人に届けられます。抗生物質や解熱消炎剤、鎮咳剤、また主に子どもに処方されるビタミン剤なども含まれています。
4月中旬、ガザ市内のPMRS拠点にて
非常事態の中、PMRSは日々変化する現地情勢とニーズに応えるため、ガザ市西部に新しいクリニックを開設しました。スタッフの中には、23年10月以降ガザ北部から中南部に避難し、今年1月の一時停戦後に北部に戻ってきた人たちもいます。ここでもJVCの医薬品配布が始まっています。
4月下旬、ガザ市西部に新しく開設されたPMRSの仮設クリニックにて
以下はJVCのガザ在住スタッフの言葉です。
再開された攻撃と封鎖により、ガザ地区の人道状況は悪化し続けています。もっとも影響を受けているのは、女性、子ども、そして高齢者です。多くの家族が何日も十分な食事が取れない生活を送っています。病院は機能不全に陥り、医薬品が不足しているため、慢性疾患や緊急の治療はほぼ不可能です。清潔な水は贅沢品となり、最も脆弱な人々の間で疾病が蔓延するリスクがさらに高まっています。
こうした状況は、「憂慮すべき」事態であるだけでなく、非人道的です。ガザの人々、特に母親、子ども、高齢者は、ただちに妨害なく人道支援を受ける権利があります。世界は沈黙してはなりません。
様々な制限がある中で、JVCは引き続き住民の支援に尽力しています。その一環として、医薬品を現地パートナー団体に提供しました。少額の寄付でも役に立ちます。
ひどい痛みがあるのに必要な薬が手に入らないことを想像してみてください。ほんの少しの支援でも、人々が何日も痛みを和らげるのに役立ちます。日本の皆さんの支援は、確実にガザの市民に届いています。
JVCはガザの人々の苦しみを少しでも和らげる緊急支援を続けながら、人々の基本的権利と尊厳を回復するため、即時かつ恒久的な停戦と、人道支援の全面再開を求めていきます。