【ラオス現地レポート】現地スタッフインタビュー後編
こんにちは、インターンの佐野です!
2025年3月、卒業旅行でJVCラオス事務所に訪問してきました。今回は現地スタッフにインタビューしたお話の一部を、記事を通じて皆さんにご紹介できればと思います!
3人目はラオス事務所フィールドオフィサーのキノさんをご紹介します!
Q1. まずはお名前を教えてください!
キノ・カンタマリーです。皆んなからは「キノ」や「ノ」と呼ばれます。
Q2. 出身はどこですか?
Bolikhamxay(ボーリカムサイ)県です。
Q3.趣味はなんですか?
旅行、滝を見に行くこと、登山です!
Q4.JVCではどのくらい働いていますか?
5年と2ヶ月です。
Q5.JVCで働くことになったきっかけを教えてください!
親戚のお兄さんがJVCと関わりがあって、その方の紹介で知りました。大学生の時にJVCが行う法律研修のイベントに参加したこともあり、大学卒業後に職員として働くことになりました。
Q6.具体的にどんな仕事をしているのか教えてください!
村人に向けた法律研修を担当しています。大学では法学部で法律を学んでいたので、その時に得た知識が役に立つこともあります。
Q7.JVCで働いていてやりがいを感じる時を教えてください。
JVCはローカルコミュニティと関わりながらプロジェクトを進めるので、「どんな問題に彼らが直面しているのか」「なぜ解決できないのか」という村人の権利を守ることができていない現状について知ることができます。JVCで働き始めてから、こういった状況を知ることが法律研修に取り組む時のモチベーションになっています。それから旅が好きなので、JVCの仕事で村に視察に行くことも楽しいです。
入職前は環境や法律研修のことに関してほとんど知りませんでしたが、働き始めてから法律研修をローカルコミュニティに向けて実施することがとても大切なことだと気づきました。
プロジェクトの進行状況ついて村の方と話している様子
Q8.活動する地域で実際に起こっている問題について教えてください。
例えば、村人たちはコンセッション*¹により、住む場所を移すことがあります。つまり土地を失うだけでなく自然資源、職、食糧を失い、生活のために必要なすべてを一から始めなければなりません。ある村は、川のそばから山の頂上に移り住む必要がありました。かつて魚を食べて暮らしていたのに山の頂上という全く異なる環境で生活を始めることは、どれほど難しいでしょう。さらに村の人は政府や企業に意見をすることを恐れ、声を上げないことさえあります。JVCに入った後はこういった問題を知り、法律についての知識をより向上させたいと思うようになりました。
コンセッション*¹:利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式
Q9. プロジェクトに携わっていて難しいと感じたことを教えてください。
政府の職員の仕事と私たちのやりたい事は、時に対立しています。そのために私たちは何を変えることができて、何を変えることができないのかを考慮したり、プロジェクトを継続するために良い関係を保ちながら交渉する必要があるのですが、これが難しいと思います。
Q10. 日本人スタッフと働いていて文化の違いを感じる場面はありますか?
はい、あります!一つは日本人スタッフは時間をきっちり守る人が多いということ。
例えば、日本人スタッフは8時に来ると言ったらきちんと8時に来ます。でもラオス人は遅く来たり早く来たり、時にピッタリに来たりまちまちです。恐らくラオスの人は仕事の結果は気にするけど、時間はあまり気にしていません。これは政府の職員と働く時も同じで、もし「9:30から始める」といったら9:45とか10:00に来るかもしれません(笑)
もう一つは、日本人スタッフはたくさん働くということです。定時になったとしても、まだオフィスで仕事をしていますよね!でもラオス人は定時になったらすぐに帰ります。私達は日本人と比べるとそんなに仕事の心配をしないのかもしれません。
Q11.日本スタッフと働くことに慣れたと思いますか?
思います!初めてJVCで働く時に実は数分遅れてきてしまって、その時に注意を受けました。でもそれから出勤に遅れてくることはなくなりました。
Q12. これから先はJVCでどんな活動をしていきたいですか?
実は近々長期の休暇を取る予定で、その間に弁護士になる勉強かインターンシップをしようと考えています。理由は自分の法律を教える能力をより強化したいと考えたからです。休暇から戻ってきたら別の村で新しくプロジェクトをスタートする予定なので、学んだことを生かしてより良いものにしたいです!
現地代表の東さんとお話している様子
Q13.ラオスで訪れるべき場所を教えてください!
Sea pandon debut island (シーパンドン島)です!メコン川の中にある島で、大きい滝や美しい景色が見られます。外国の方にもとても人気です。
Q14.好きなラオス語は?
考えたことなかったです(笑)私がよく使うのは、Nn(ンン)です。
表現によっては「イエス」とも「ノー」とも「多分」ともとれますが、ラオス人同士でしか伝わらないかもしれません…。
Q15.これを見ている日本のサポーターにメッセージはありますか?
いつもご支援いただきありがとうございます。皆様のご支援は、ローカルコミュニティを支援するため、川や森などの環境を保護するためにとても役に立っていて、村人たちにとって非常に有益なものです。もし可能であればこれからもご支援を継続いただけると嬉しいです。頂いた全てのご支援は、直接ラオスにいる村人たちの支援につながっています。
今回のインタビューを通して特に印象的だったことは3つあります。
● スタッフ同士仲がいい、家族のようだと仰っていたこと
● JVCの支援はローカルコミュニティに支援物資を与えるのではなく、一緒に解決策を考えるというスタイルだからこそ上手くいっていると現地スタッフも体感していること
● こういうローカルコミュニティとの関わりから得られた経験自体が仕事のモチベーションとなっていると仰っていたこと
こうした発言からJVCの理念や想いはこうして事業地まで浸透しているということを改めて実感できました。JVCラオス事務所のスタッフの方々は温かくて気さくで、初めて訪れたのにまるで故郷に帰ってきたかのように感じました。
現地代表の東さんは『ラオス人は「マーマー(おいでおいで)」と言って周囲にいる人を自分達の輪に加わるように誘うんですよ』と教えてくれました。実際に私もラオススタッフがご飯やカラオケに誘ってくれたその先で、沢山の素敵な方々に出会えました。
ラオススタッフのお家で美味しいご飯とラオスビールをご馳走になりました!
ポピュラーな観光地とはまた違った魅力を持つラオスに、皆さんもぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました!
インターン/佐野萌香