ゴレーク地域内の中高等学校6校それぞれで、毎月一回健康についての作文を集め、優秀作品を壁新聞のように掲示して健康への関心を高めてもらっています。2011年から参加している女子校でも生徒の関心は高く、積極的に自分たちで調べた病気や予防をテーマにした作文が提出されました。
終了事業:アフガニスタン 地域教育・識字教室の取り組み
これまで実施しておりました授業研究ならびに健康教育の活動は、教員による自主的な運営が一定程度、維持されうることを確認し、2018年度2月をもって、JVCとしての活動を完了いたしました。これまでいただきましたご支援に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。(活動内容については本ページ下部をご参照ください。)
2018年度からは、新たに下記の地域教育の活動を開始し、2021年6月に終了しました。活動報告はこちらをご覧ください。
長い紛争や女子教育が禁止されていたタリバン政権時代(1996~2001)を経て、多大な損害を受けた教育の再構築が急務ですが、アフガニスタンの成人識字率は38.2%(男性52%、女性24%)で、UNESCOの2015年報告によれば160か国中155位と、最も低い国々の一つです。とくに地方部では、施設や教員の不足、脆弱な教育行政、より低い教育への関心、とりわけ女子教育を制限する環境、不安定な治安状況などにより、教育環境は厳しいままです。また、15歳以上の場合、正規の学校に戻ることは原則として認められておらず、労働や家事に従事する必要や自尊心などからも、正規の学校に復帰するのが非常に困難であり、地方部ではそれがさらに顕著になっています。
この課題に取り組むために、2018年度から、JVCは非識字人口が多いナンガルハル県・クズ・クナール郡で活動を行いました。
男女の区別なく読み・書き・簡単な計算を学ぶ機会を拡充することで、教育という権利そのものが実現され、また、地域全体ならびに将来世代にも教育の重要性が伝わることを目標に掲げ、15歳以上の若者と成人の識字教室および普通教育促進を試みました。識字教室では9ヶ月かけて事業地での多数言語パシュトゥ語の読み・書きと算数を学び、アフガニスタンの基準で公立小学校3年生に相当するレベルを目指します。
実際の識字教室運営では、教室の場所、教師、生徒の選定や調整などを村人にも担ってもらい、村全体で参加する協力体制を築きます。
人々は非識字であることで日常生活の中での不便・困難を感じているため、単に文字を覚えるだけでなく、日常生活の中で識字能力を活用し、覚えたことを忘れぬように使い続けることが大切です。例えば、保健に関する情報、家計簿、招待状、回覧版、ポスター、看板など、教材以外の文書の使用、携帯電話の使用や服のサイズを測るなどの練習、料理レシピ作りなども考えられます。
このように、識字のプログラムは、村の暮らしの中で活かせる知識技術として、これまで当団体が実施してきた地域保健と平和構築活動にも繋げていく予定です。
※なお、上記のように授業研究ならびに健康教育の活動は完了いたしましたが、これまでの活動のご紹介を下記に掲載いたします。
授業研究は、学校の教員たちが教授技術の向上を目指すための参加型の教員研修です。これまで指導訓練を受ける機会がなかった先生たちが、自信を持ってわかりやすい授業をすることで、子どもたちも楽しく勉強できる教育環境を作っていくことがねらいです。2013年10月に4日間のワークショップを実施し、先生たちが日々直面している課題を出し合い、モデル授業を実施しながら互いに観察・評価を行いました。ナンガルハル県シェワ郡ゴレーク地域で、これまでの研修を受けた教員を軸に学校単位の授業研究を行います。
(授業研究の様子)
人々の健康への意識を高める効果的な場所の一つが学校です。JVCは先生たちと協力して、子どもたちが健康的な習慣を身につけ、家庭にも伝えられるよう、健康教育を促進しています。これまで、教員・生徒それぞれに向けた応急処置の研修を重ねてきました。地理的に医療施設へのアクセスが困難な僻地の村では、適切な応急処置は命に関わる問題であり、研修は効果をあげています。また校内健康キャンペーンなどを企画しています。
医療施設へのアクセスが保障されていないJVCの活動地域では、急なケガや病気に対して自分たちで最低限の処置ができるようになることが極めて重要です。女子学校と男子校で応急手当の研修を実施しました。参加した生徒から「けがをしている人を見たとき、助けることは医者や看護師の責任だと思っていましたが、私たち一人一人にもそれができるということを感じるようになりました」といった声も聞かれました。
(学校での応急処置研修)
ゴレーク地域内の中高等学校6校それぞれで、毎月一回健康についての作文を集め、優秀作品を壁新聞のように掲示して健康への関心を高めてもらっています。2011年から参加している女子校でも生徒の関心は高く、積極的に自分たちで調べた病気や予防をテーマにした作文が提出されました。
(健康をテーマにした壁新聞)
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