アフガニスタンで続く暴力を強く非難するとともに、和平プロセスの進展と平和を求めます。
4月30日、アフガニスタンの首都カブールにて、2度の連続自爆攻撃があり、少なくとも29名の方が亡くなり、 50名ほどの方が負傷しています。カブールでは、1週間ほど前にも自爆攻撃があったばかりでした。 いずれも「IS」を名乗る勢力が犯行声明を出しています。
今回、2度目の爆発では、1度目の爆発で駆けつけていた救護関係者や9名の記者の方たちが犠牲になっています。 「人がたくさん集まる所にはできるだけ行くな。何か起こったらそこには行くな。」 紛争地の安全管理などで鉄則のように言われたりします。
一方で、そういう状況で人々を助けるため、真実を知らせるために、あえてそこに向かう人がいるのです。 こうした人たちに、世界は救われているのだと思います。しかし、今回の2度目の爆発は、それを狙った事件でした。 ただ、この人たちもこんな目にあうなんて思ってもいなかったと思います。あまりにも酷い現実です。
この日は別の場所でも別の記者の方が撃たれて亡くなっているほか、 さらに別の場所では、外国軍を狙った自爆攻撃があり、近くの学校の生徒11名が亡くなっています。
続く犠牲に悲しみと怒りを禁じえません。
先のカブールの自爆事件は、これまで3年も延期されてきた議会選挙のための登録所を狙ったものでしたが、 私たちの活動地のある県でも、登録所近くでの爆発事件で負傷者が出ています。 ほか、活動地県を含め、全国で、簡易爆弾による攻撃、個人を標的にした攻撃・殺害、 そしてまた戦闘などが拡大しています。
暴力は許されませんし、選挙に向けて、人びとの意思を民主的に反映させるための機会を奪う、 またそれを、暴力によって妨害する、ということも到底許されることではないと思います。 一方で、和平を実現することなしには、アフガニスタンの人びとがみな関わる形での、 社会づくり、国づくりもできません。
今回の事件に際し、亡くなられた方のご冥福を謹んでお祈りするとともに、 ご家族や関係する皆さまに心より哀悼の意を表します。そして、市民の死傷をもたらしたこの事件を強く非難します。 そして、全ての関係勢力、関係者に、和平プロセスを進め、アフガニスタンに平和をもたらすことを求めます。
暴力で問題の解決をもたらすことはできません。それによってもたらされるのは悲しみと怒りだけです。
JVCは非暴力で平和をつくっていきます。
小野山 亮(アフガニスタン事業現地統括)
世界中にある数々の紛争、争い。何とか解決できないのでしょうか。政府でも国際機関でも、組織や団体でも、そして一人の市民でも、それぞれにできることがあるハズ…ですよね。そんな気持ちから、これまで主に、平和、民族などの分野に関わっています。市民としての立ち位置で現場に寄り添うような活動を行なうNGOの世界に身を置き、いくつかの団体で勤務をしてきました。これまで、スリランカ駐在での内戦や津波からの復興および救援活動のほか、いくつかの国や地域での生活支援、啓発や提言活動などにも従事してきました。2012年7月よりJVCに参加、現職についています。
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