村人による村人のための識字アクション、2期目終了!
2020年3月をもって、JVCが支援している識字教室の2期目が終了しました!新型コロナウイルスの感染が拡大する直前に、半ば逃げ切るかのようにすべてのクラスが終了し、今年も新たに約250人の村の女性、男性が読み書きを学ぶことができました。修了書を手にした参加者の皆さんの誇らしそうな笑顔はこの一年間の集大成です。二年目の今年は、開始当初に、多くの村から識字教室開催の希望の声があったことからもわかるように、一年目の成果が見え始めていることもあり、地域全体の受け入れや教育への理解も進んでいることが感じられました。
JVCが現地のパートナー団体YVOとともに実施しているこの識字教室は、政府が提示している従来のカリキュラムに加え、保健・衛生、平和教育、レシピづくりなど、より暮らしに役立つ要素を取り入れていることが特徴で、純粋な読み書きの練習のためだけでなく、この教室以外には学ぶ機会をほとんど持たない村人たちが(特に女性は一人で出かけることすらハードルが高いのです)、生活に必要な情報を得て共有し合う、という意味でも大切な学びの場となっています。夏の酷暑と冬の寒さの厳しさは特に厳しく、出席率が低下したこともありましたが、なんとか工夫をこらし、乗り越えてきました。決して快適な学習環境とは言えない中で、最後まで通い続けた生徒の皆さんと、ほぼボランティアとも言える手当で毎日教えてくれた先生たちの姿にスタッフも励まされていました。
今年度も行った参加者への聞き取りなどを通じて改めて明らかになったのは、教育は男女ともに重要であると考えている女性は多いが、"男性による"女子教育への理解とサポートがいまだ十分ではないということです。それには様々な背景理由があり、その一つには学校や通学路の安全性への懸念も挙げられます。資金の制約で私たちが学校建設などハード面を支援するのは難しいですが、村の中で安心して通える教室を確保しながら、当地の文化・価値観を尊重しつつ、より多くの村人に(女子)教育の素晴らしさが伝わっていくようサポートします。「女性たちがこの識字教室で新たに身につけたスキルを普段の生活の場で発揮していけば、その夫や兄弟、父親にも、その価値が実感されるはず」と先生たちが力強く話していました。
また、3月に新型コロナウイルスの感染が拡大し始めたことを受け、JVCは急遽、この地域で感染予防対策に動きましたがそれが実現できたのも、この識字教室の参加者、先生と生徒の皆さんのおかげでした。NGOとして、普段から住民の方々とプロジェクトをともに実施し、信頼関係を築いてきたことがこのような緊急時にも大いに生かされたと実感しました。
識字アクション!の詳細は下記の通りです。
(女性のクラス。先生は高校を卒業した同じ村の出身者で、「だから安心」という声が多く聞かれます)
(男性クラス。男性は日雇いの仕事で欠席が多くなりがちという課題も)
(あまりに寒い時期に使用した村の一般家庭で使われている暖房器具。電気はないので、ガソリンを使うそうです)
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