【ガザ】10月15日:エルサレムからの速報(9日目)
空爆の開始から9日目を迎え、人々の状況は極限に達しています。
現地時間10月15日午後1:30現在、ガザでは2,329人が死亡(そのうち700人以上が子ども)、9,000人以上が負傷しています。
これは、ガザがイスラエルの封鎖下に置かれてから最も大きな被害を生んだ51日間続いた、2014年のガザ戦争時の被害者数を9日間で超え、まだ増加しています。
イスラエルは空だけでなく陸や海からも攻撃を実施すると予告し、36万人もの兵士をガザ周辺に配置しています。また、13日から引き続き、ガザの北部と中部からの強制的な退避勧告を出していますが、昨日、南に向かう退避中の人々を載せたトラック数台が空爆され、一瞬で70人が亡くなりました。
避難した先の南部でも空爆が続いており、避難しても安全が確保されるわけではないため、多くの人がそのまま北部や中部に残っています。それらの地域にあるいくつかの病院も、危険な状態にある患者を移動させることはできず、周辺にも人々が残っていることから、避難しないことを表明しています。
ガザの保健省によると、医療物資の不足に加え、病院自体が被害にあったり医療関係者が避難したことで、ガザの70%の人々が現在医療にアクセスできない状況となっています。
電気不足により、現地のパートナー団体のスタッフとも非常に連絡が取りにくい状況となっており、安否を心配しています。JVCが緊急支援を決定したEl Wafa病院のバスマン院長とは連絡が取れていますが、院長もガザ市(中部)に残っており、今日にはもう病院の発電機を回す燃料がなくなりそうだと話していました。
JVCの駐在員がガザに滞在する際に宿泊しているアパートの大家のアリさんも、昨日は家族と一緒に南部に避難するつもりで途中まで行ったのですが、心が行きたくないと言っていて、中部の街に留まったと言うことでした。
今日連絡が取れた時には「今この時まで、何が起きているのかわからない。ニュースも入ってこないし、電気も水もない。恐ろしい状況だよ。誰も自分たちのことをサポートしてくれない。精神的にもうかなりきついよ。祈るしかない。ぼくは今ハン・ユニス(南部)にいる。奇妙な国にいるみたいだよ。ここでは誰も知らない。」「もう二日も水を飲んでないよ。今日、友達も亡くなった。」と悲痛なメッセージが届きました。いつもは穏やかでニコニコしていて「大丈夫、大丈夫」という彼からは想像もできない様相でした。
各国政府や国際機関が、完全封鎖している中で空爆を行うこと、封鎖下にある人に水・食料・燃料・医療など人間が生きるうえで必要不可欠なものを供給しないこと、強制的に移動させることは、国際人道法に違反していると声をあげていますが、未だ攻撃の手がおさまる気配がありません。
ガザの人々は「誰も自分たちを助けてくれない」と、孤立感を強めています。JVCは他団体と協働して、引き続き日本政府に対し、停戦のために積極的に国際社会に働きかけるよう、要請していきます。
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)
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