【ガザ】5月14日:現地速報(220日目)ー生き延びているのに、物資が入らない
広報担当の大村です。
ラファを中心に、ガザの情勢は悪化を続けています。今回の記事では、現地時間の5月13日に、ガザから届いた動画を含めた最新の状況をお伝えします。
ぜひ最後までお読みください。
残念ながら、イスラエル軍がガザの各地で攻撃を強化しています。
5月7日にイスラエル軍が一部を掌握したラファはガザ地区南部のまちで、10月7日以降の混乱の中、ガザの全人口の220万人のうち150万人もの避難民が集中している地域です。
現在、ラファ以外にも、例えば過去のJVCの事業地でもあった北部のジャバリアのほか、ガザ市のザイトゥーンなども、再び激しい攻撃を受けています。
攻撃の拡大を受け、今やラファだけでなく、ガザ全体で南から中部へ、東から西へと避難するという人の動きが発生しています。
ラファについて言えば、移動指示が出されている東側の地域だけでなく、ラファ全域から、避難先のあてもなく、ラファより少し北に位置するハンユニスや中部に、着の身着のまま逃げる人々の移動が起きています。
その結果、移動先の地域で人口密度が急激に高くなっています。
攻撃は夜~深夜にかけてひどくなるため、人々は朝~夕方にかけて避難をしています。
最近のガザの気温は最高25℃程度で、予報によれば今週末から最高は30℃を超え、35℃近くあがる日もあり、衛生状況の悪化も懸念されます。
5月6日からもう1週間も、ガザには物資が入っていません。ラファを含めて人道支援の要所である南部の2つの検問所が閉鎖されているため、入れることができないのです。
こんなことがあっていいのでしょうか。
現地スタッフによれば、結果として、すべてのモノの値段が【少なくとも70%】値上げされているといいます。イスラエルの攻撃によって人口密度が高まっている地域などは、今後もっと大きな影響を受ける可能性があるでしょう。
行くあてもない中、とにかく自分と大切な人たちの命を守るために何とか避難を続けているガザの人々。
それなのに、生きるために必要な最低限の物資すら入ってこないばかりか、内部にある限られた物資の値段が高騰し続けているのです。このまま人口が密集すれば、感染症の蔓延などの可能性も高まる一方です。
私たちのガザのパートナーたちは今、とりあえずガザ内にある物資の在庫で日々の暮らしをまかなっていますが、何日分残っているか分からないと言います。
ガザにある検問所が閉鎖されてから、子どもたちが、ゴミの中から食べ物やその他のものを探す光景が見られるようになっています。
ガザへの攻撃を止めること(停戦)が先決ですが、同時に、一刻も早く人道支援の要所である2つの検問所を通じて、この状況下で何とか生き延びている人々に物資を届ける決定が必要です。
私たちは引き続き、パレスチナに関わり続けてきたNGOとして、停戦に向けた政策提言を続けていきます。
こういった事態においては、「傍観しないこと」「おかしいと思ったら声をあげること」が非常に重要です。
各地から一人でも多くの「NO!」を届けることは、誰かの命を救う大きな一歩になり得ます。
「自分が何か言っても意味がないのではないか」と思わずに、今の事態に少しでも違和感を感じていたら、ぜひ一緒にアクションを起こしませんか。
例えばこの記事をシェアしてガザの最新の状況を広げることにも、大きな意味があると私は思います。
JVCは今、現金給付支援の拡大のほか、長年続けてきたガザの母子保健、特に2歳以下の子どもとそのお母さんを守るための支援を始めています。
諦めずに、戦争に振り回され続けているガザの人々のための活動を続けていきます。また報告いたします。
(JVCは10/7以前から、ガザで母子保健の活動を続けてきました)
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