【ガザ】現金給付を継続し、2歳以下の子どもへの栄養支援を開始しています
パレスチナ事業の小林です。
5月7日に、イスラエル軍がラファ(ガザ南部の避難民が集中する地域)の一部を制圧し、人道状況はさらに悪化しています。現在までに、ガザ地区の約78%に当たる地域が<イスラエル軍による避難命令下>に置かれ、この2週間でガザの全人口(約220万人)の40%近くが、再び避難を余儀なくされています。
ラファからの避難民の多くは、南部のハン・ユニスや中部のデル・アル・バラフに避難し、すでに避難所となっている学校や、道路や農地などの空いている土地、破損した建物に避難しています。
イスラエル軍の制圧によって、エジプトとの境界にあるラファ検問所(*人道支援の要所)は閉鎖されており、もう一つの要所でイスラエルとの境界にあるケレム・アブ・サレム(ケレム・シャローム)検問所からも、ごくわずかな物資が搬入を許されているのみで、飢餓の危機に拍車をかけています。
食料などの物資不足によって、物価の高騰はさらに激しくなっています。
JVCは母子保健の活動を共にしてきたボランティアを対象に現金給付を実施しましたが、現状をうけ、支援対象を拡大し、給付金額も見直して、現金給付支援を継続します。
2歳以下の子どもがいる世帯、他の現金収入がない、女性が世帯主となっている等、より脆弱な世帯を対象として支援する予定です。
(JVCはこれまで、10/7以前から、ガザで母子保健の活動を続けてきました)
現地NGO・アルデルインサーン(AEI)と共に長年にわたって実施してきた母子保健事業の経験を生かし、子どもの栄養改善のための活動も開始しました。
2歳以下の子どもの健診を実施し、MUAC(上腕周囲径)テープを用いて子どもの栄養状態を確認して、栄養失調予防用のミルクや高カロリービスケットを配布するとともに、母親への個別カウンセリングも行います。
経験のあるスタッフが、幼い子どもを抱え爆撃などの恐怖にさらされ続けている母親たちの声に耳を傾けることは、心のケアにもつながります。
また、治療の必要が判明した子どもについては、国連機関が提供する治療にアクセスできるよう橋渡しをおこないます。
この写真は、カウンセリングを開始した日にガザから届いた写真です。
命の危険や、この先の生活への極限ともいえる不安の中で子育てを続けるガザのお母さんたち。そして、紛争下で育っていく子どもたち。
少しでもガザの人々の力となれるよう、これまでの私たちの経験を生かしながら、現地での新たな活動を着実に進めてまいります。
また、停戦に向けた政策提言を続ける中で、先日、新たな世界的な署名活動に賛同しました。こちらも追って報告いたします。
決して傍観せず沈黙せず、今この瞬間に傷ついている人々をケアしながら、同時に、一刻も早い停戦に向けてできることを続けていきます。
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)
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