【ガザ】7月2日:現地速報(270日目)ー最新情勢と、2回目の現金給付支援について
2023年10月7日から、270日以上が経ちました。イスラエル軍が「地上作戦の終了が近い」と発表しながらも、ガザではいまだ停戦の兆しが見えず、全域で攻撃が続いています。
6月27日、イスラエル軍はガザ市東部シュジャーイーヤ周辺の住民に即時退避を命じ、これまでに6〜8万人が避難しました。激しい空爆と地上侵攻が続き、医療チームがアクセスできない中、逃げ場なく閉じ込められたままの人たちもいます。
また南部ラファでも地上軍が侵攻を続け、「人道エリア」に指定されているマワースィー地区で避難民のテントが攻撃されるなど、5千人以上が更なる移動を強いられています。報道を見たJVCのガザ現地スタッフは「子どもを置いて逃げる人がいたほどの攻撃」だったと話します(註:普段のガザではあり得ないことです)
さらに昨夜、南部ハーン・ユーニスの東部にも即時退避命令が出され、暗い中を歩いて移動したり、通りで夜を明かす人たちの映像が流れています。
昨日の朝、イスラエル軍に拘束されていたガザのパレスチナ人50人が解放されました。11月に拘束されたシファー病院のムハンマド・アブー・サルミーヤ院長も7か月ぶりに解放され、収監中の拷問や人権侵害について証言しています。
ガザの医療関係者の拘束は数百人にのぼるとみられ、同じシファ病院の医師を含め、収監中に亡くなった人も確認されています。
5月上旬のラファ地上侵攻開始以来、エジプトとの唯一の出入口であるラファ検問所から人道支援物資を入れることができず、エジプト側で1,500台以上のトラックが待機しています。イスラエルとの境界にあるケレム・シャローム検問所からは、6月前半の2週間に1,239台、後半は45台しか支援トラックが入っていません。
6月下旬のIPCの発表によれば、ガザ全域で飢饉のリスクが高い状況が続き、9月にかけて人口の96%が急性食料不安(IPCフェーズ3以上※)に直面すると予測されています。
(※参考:国連WFP「食料がある状態から飢きんに至るまでの5つの段階」)
JVCは現在、現地パートナー団体アルデルインサーン(AEI)とともに、中部の避難所での栄養支援を継続しています。
また、現金給付支援の2回目として、2歳以下の子どものいる避難民100世帯対象を対象に、準備を進めています。
写真は、AEIとJVCのガザ現地スタッフが避難所となっている学校3か所を訪れ、事前のニーズ調査により支援対象となった方々を対象に、モバイルマネーの受取方法などを説明した時の様子です。
参加者からは、おむつやミルク、衣服の購入に充てたいという声が多く聞かれました。ガザ現地スタッフは、夏本番で暑い日が続く中、水や衛生用品のニーズが今後一層高まるだろう、と話します。感染症が拡大する懸念も日々高まっています。
JVCは引き続き即時の恒久的停戦を呼びかけると同時に、ガザのスタッフやパートナー団体とともに、長引く避難生活を送る方々の声を聞きながら、活動を続けます。緊急支援へのご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター(JVC)
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