【ガザ】7月15日:現地速報(283日目)ー泣いているのがわからないように顔を隠した
インターンの沓掛です。
2024年7月10日、ガザ市全域の住民に退避勧告が出されました。これは、2023年10月にイスラエル軍がガザ川以北(以下、北部)に発した退避命令以来、最大規模の勧告です。
10月にガザ北部への地上侵攻が始まって以降、北部と南部の間にはイスラエル軍の検問所が設置され、人々は行き来することが許されず、支援物資を乗せたトラックや人道支援関係者の移動も困難となっていました。
ガザは地中海に面しているため湿度が高く、連日30度を超える暑さに見舞われています。国連によると、ガザの人口の96%が深刻な食料難に陥っているうえ、衛生的な水の確保も困難を極めています。そんな中で、人々は幾度となく、避難した先からまた別の地域へと避難を強いられています。7月12日からは、イスラエル軍が「安全地帯」と定めたガザ南部のマワーシー地区に対して激しい攻撃を行い、12日だけで90名が亡くなり、300名以上が負傷しています。今日7月15日も、避難所になっているガザ中部の学校が攻撃され、17名が命を奪われました。
先週火曜日、JVCの現地スタッフがガザ中部の活動地から自宅に戻った後、かわいい笑顔の男の子と一緒に撮った写真を送ってきました。「今日、避難所の学校に行った時、この子が懐いてきて、ぼくに『お兄ちゃんと一緒に連れて行って。もうここにいるのは嫌だ』って言ったんだ。思わず涙が出てきて、泣いているのがわからないようにマスクで顔を隠したよ」と教えてくれました。
(※JVCの活動地は、今日攻撃された学校とは別の地域にあります)
激しい攻撃が始まってから10ヶ月目に入り、避難所の生活は過酷さを増しています。食料や水の不足に加え、廊下や階段で寝泊まりしなければならないほど人が密集し、プライバシーはほぼありません。清潔を保つための水や衛生用品、施設がないことによる、人や汚水、回収されないままのゴミなどの耐え難い臭い。避難所によっては、560人で1基のトイレを使わなければならないような中で、人々は生活を強いられています。
また、現地スタッフは「いったい自分たち(一般市民)が何をしたんだろうとずっと考えている。自分たちが何か過ちを犯したんだろうか。ただここで暮らしていただけなのに…」と度々言っています。
子どもを含む人々がそんな思いをしなくても良い日が早く来るように、JVCは支援活動と並行して、他のNGOなどとともに、恒久的な停戦に向けた働きかけを継続していきます。
(写真は活動地であるガザ中部の学校の様子です)
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