スタッフインタビュー「JVCの中の人を知ろう!~ラオス現地スタッフ編~」
皆さん、こんにちは!JVCインターンのアリシアです。
本日はインターン生の沓掛さんと一緒に聞き取った、ラオス現地スタッフのフンパンさん、プッタワンさんとキノさんとのインタビューをご紹介します。
ラオスへ関心のある方、JVCの活動の実態に興味のある方、ぜひご覧ください!
キノ:3年以上JVCのスタッフをしているキノです。
プッタワン:3ヶ月前にJVCに勤め始めたプッタワンです。
フンパン:フンパンです。ラオスで一番長く働いているJVCのスタッフです。今年で15年にもなります!
フンパン:セパタクローをやったり孫と遊んだりします。
キノ:寝ることですかね!旅行をするのも好きです、友達と一緒でも一人旅もします。まずはラオス全体を旅行してから、海外にも行きたいと思ってます!
プッタワン:映画鑑賞が好きで、週末は訪れる村の周りの自然を散歩したりします。寝ることも好きです!
(インタビューの様子)
フンパン:5回も行きました。
プッタワン:ないです。
キノ:ないですけど将来はぜひ行きたいです!
フンパン:味噌汁や寿司などの料理が好きです。
プッタワン:寿司です!
キノ:日本の文化が好きです!皆さんが優しくて丁寧なところが好きです。
プッタワン:9割はラオ語で1割は英語です。
キノ:ラオ語、英語とタイ語が話せます。あまり知られてないのですが、タイ語とラオ語は似ていて、ラオス人のほとんどがタイ語も話せます!
フンパン:一番好きな場所は南の方です。文化も服装も生活も好きで、空気も涼しいです。
プッタワン:ラオスの人と自然が大好きです。JVCに転職する前に、ラオス国立大学の林業部で働き、ラオスの色々な地域で調査をする機会がありました。各地域の人の山、牛、水などの自然との繋がりを見て、JVCの活動に参加することがその続きだという感じがします。
(ラオスは本当に自然に恵まれています!)
キノ:ラープもお勧めです!ラオスの国民食で辛い肉のサラダです。
フンパン:パデーク(魚の発酵食品)、竹の子のスープとパパイヤサラダがお勧めです。
プッタワン:JVCで働き始めたのは3ヶ月前です。大学を卒業してから、色々な仕事に応募したんですが、JVCが採用してくれました。大学で専攻したのは水管理、森林開発と土地利用なので、興味に合っている仕事を見つけられて本当に嬉しく思います。
キノ:JVCに入ったのは2020年1月6日です。大学を卒業したあと、兄がJVCで働くよう強く勧め、紹介してくれました。法律を専攻していたので、現地の人々と地方政府と一緒に働くことができて、本当にこの仕事ができて良かったと思います。地図作り、モニタリング、アドミンや経済的な業務を学ぶ機会があって、JVCで働き始めてから本当に成長ができたと思います。
フンパン:JVCに入る前に、コミュニティアドバイザーとしてドイツの開発会社で10年働いていたのですが、ラオスの北の方の私の地元でのプロジェクトの契約がすぐに切れてしまい、その後はJVCで働き始めました。1年目か2年目まではJVCの人材マネジメントへの姿勢が元の会社と違っていてあまり好きになれませんでした。しかし東京から来るJVCの事業担当者と一緒に仕事をする中で、「JVCとはなにか?JVCは村の人々のために何をしているか?」ということを学び取ろうとしました。
私だけでなく、ラオス人にとって何よりも大切な問題は土地の収奪だと思います。力のある国はラオスのような自然に恵まれている国を自然資源のために乱用します。力のある、乱用を止めるべき国こそがその乱用をしていると、誰が苦しんでいる人々を助けるのでしょうか?特にここのような人里離れた地域では、政府には頼れません。この問題について村の人々を教育して、土地の収奪から自分たちで守れるようにするための方法を教えるのは非常に大事だと思います。支えたい声はどんなに小さくても声です。そのためにJVCで働くと決めました。
フンパン:実は、タイとカンボジアの国境紛争によりJVCのラオスでの活動は1988年に遡ります。紛争の影響でラオスでは多くの人々が北の方から南の方に逃れて、できたばかりのJVCがその難民に農業の研修をする活動を実施しました。
JVCが立ち上げられてから、活動は主に農業とアドボカシーの2つの分野に分かれたわけです。アドボカシーの方は、法律、特に土地の権利はどう変わってきているかを分析して、村の人々にどう自分と自分の土地の権利を教育できるか、どうエンパワーできるか考えます。コミュニティ林などを通じて、共有資源を使って自分たち自身を支える方法も教えます。アドボカシーが今一番力を入れている活動です。
(基礎情報収集のため航空写真に情報を書き込む様子)
プッタワン:JVCで働くのは素晴らしい経験です。JVCに入る前は、何の経験もない新卒者でしたが、今は色々な村の人々と、ラオスだけでなく、タイやグローバルな組織とも協力しています。JVCで一緒に働いて、人権保護に一生関わっていきたいと思うようになりました。
キノ:JVCに入った一年目は法的な事業を担当していたので、自然資源の持続的な使用方法と意識啓発方法を研究して、村の人々や地元政府を対象に研修を実施しました。村の人々と協力して支えることが大好きなので、本当にJVCで働くことを選んで良かったと思います。共有資源へのアクセスを失うと、生計も失い、お金を稼ぐため田舎から都会に引っ越すことが必要となります。独特な文化も、家族が何世代も耕してきた土地も失われることになります。その悪循環を止めるためにJVCで働くことができて本当に嬉しいです。
フンパン:課題ももちろんあります。特に、政府と協力するのが大変です。政府の指示が私たちの力では無理であっても、村の人々に良い影響をもたらさなくても、従わなくてはなりません。同じく、森林などのラオスの自然資源を一生懸命守りたくても、開発会社が政府のプランテーション開発政策による援助で土地を破壊しようとすれば、なんの抵抗もできません。ですが、良かったことは日本人と働くことなんですね。日本の文化は素晴らしくて、JVCにはラオスの文化に興味を持ってくれる、すごくて、フレンドリーな人がたくさんいます。
フンパン:村の人々の思っていること、直面している問題、希望を聞くのが絶対に一番大切なことです。注意深く話を聞いて、どうやって一緒に対応できるかを考える必要があります。もし政府の人間がその場に一緒にいたら、本当に思っていることが言えないと思う方が多くいます。なので私たちしかいない時には、何でもかんでも問題が解けるわけではないけれども、本当に困っていることが理解できるように自由に話せる環境を作りたいです。
キノ:敬意を忘れないことも非常に大切です。何も強要せず、ただ発案するだけで度を越さないようにしています。
フンパン:時々あります!ですが、今の山室さんという事業担当者はラオ語を上手く話せて、読むことも書くこともできます。過去には、英語でもとても早口な担当者はいたので、コミュニケーションの問題があったんですが、現在はラオ語で話すのでなくなりました。
キノ:来月はチェンマイでの問題管理と気候正義の研修の機会をJVCがくれました。JVCの活動にもっと深く携われるよう、キャンペーンと活動の企画と実施について学びたいです!地方政府と村の人々に提供する、持続可能な共有資源の利用に関わる法律研修も頑張りたいです。
プッタワン:英語がJVCの活動に大変大事なのがわかりましたので、英語を上達させたいです!JVCのことももっと詳しく知っていきたいです。
フンパン:村の人々が共有資源を守る権利を持てるようにベストを尽くしたいだけです。
(法律研修の様子)
プッタワン:ラオスのことはたくさんの人々に知られていないと思います。ラオスのどのようなところを知っていますか?
沓掛:JVCとのインターンシップが初めてラオスのことを深く知る機会でした。ラオスは美しい自然が有名なのはわかっていますが、JVCにインターンとして関わりながらラオスのことをもっと深く知りたいと感じます。
アリシア:歴史的な視点でしか知らないかと思います。ベトナム戦争でラオスは被害者となって、ラオスはどの国よりも爆撃されていると読んだことがありますが、現代のラオスの社会と文化をもっと深く知りたいです。
プッタワン:ラオスでの爆弾の背景は世界にもっと知られてほしいと思います。今でも爆弾はまだ残っていて、特に子どもたちにとって大変危険です。昨日は、2人の子どもが地中に残っていた爆弾に当たって亡くなったというニュースが放送されました。土地開発の分野でも大問題です。
フンパン:JVCのラオス事業チームは自然資源を守る権利や、よりよい未来のために地元の文化を尊重することを訴えています。今、世界中のたくさんの国のたくさんの人々が領土や自然資源をめぐる紛争に巻き込まれたりしています。私たちは1988年からそういった問題に関する活動を続けていますが、ずっと支援してくださり本当にありがとうございます。ラオスの社会が将来も自然と調和できるようにJVCを支援し続けてくださることを願っています。
沓掛:普段日本で活動しているだけではなかなか接点を持てない、現地スタッフの方のお話を聞けたのは大変貴重な機会でした。皆さんがラオスの自然や文化を愛し、そこでの暮らしを守るためにJVCでの活動に奔走されているのだということが、とてもよく伝わってきました。またラオスの食べ物や自然などについてのお話も聞き、ぜひ一度現地の料理を味わい、きれいな景色を見に行ってみたいと思いました!私も、JVCでのインターンを始めるまでこの国についてほとんど何も知らなかった初心者ですが、このインタビューが、日本の皆様に少しでもラオスに興味を持っていただくきっかけになっていたら嬉しいです。
アリシア:ラオスの現地スタッフの皆さんと様々なお話ができ、本当に感謝しています!インタビューを行う前は、私はラオスのことに詳しくなかったのですが、ラオスの人々と自然との関係のお話を伺い、現地スタッフの皆さんが村の方々に熱心に寄り添っていることを知り、JVCのラオスでの活動の大切さを強く感じました。ベトナム戦争で、米軍がラオスに何万発もの爆弾を投下したことは知っていたものの、今でもその爆弾が地中に残っていることは知りませんでした。スタッフの皆さんとお話しする機会がなければ、いつまでも知らないままだったかもしれず、考えさせられました。様々な国の方と話さないと、世界の人々が抱えている課題のことを、何も知らず生きていくことになるように思います。この世界で暮らす様々な人々と、文化面や社会面で交流をすることの大切さを、今回のインタビューで改めて感じました。
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