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パレスチナ

ガザ:残酷かつ屈辱的な軍事侵攻

ガザ訪問では、イスラエルによる軍事侵攻の残酷さ、そして屈辱的な振る舞いを多く耳にしました。残酷さの象徴として、いかに民間人が多く殺害されたかを耳にします。アッサムニーエ地区は、ある家に集まるようイスラエル兵に言われ、そこに爆弾が落とされ、32人が殺害されたと聞きました。終了式が行われている警察への爆撃については、彼らは交通警察で、武装勢力ではない。そしてハマスの一員とは限らず、生活のために応募した人達だ、という意見を聞きました。

さらには、国際法に違反するとされる白燐やDIMEの密集地での使用などによる酷い殺傷力が話題になります。わき腹に入った金属が体内で暴れて内臓が引き裂かれ死亡したという男性、受けた弾で足が砕け切断しなければならなかった女性、手先に受けた傷口がどんどん広がるため肩の部分で切断しなければならなかった子供、などはほんの一例です。ある医師は、ガザ北部だけで把握しているだけで、169人が手足の切断や脊髄の損傷など、一生の障害を負ったと話しました。ガザはイスラエルの新兵器の実験場として使われた。イスラエルは国際法を遵守しない、野蛮人だ、という声も何人もから聞きました。

破壊の対象になった建物は省庁や治安関係だけではありません。ガザ・アメリカン・スクールは、建物が完全に破壊されただけでなく、校庭にあった遊具やバスケットボールのポールまでもがブルドーザーで完全に潰された様子を、学校に通う生徒が写真を見せながら話してくれました。学校は再建の目途はなく、今は仮住まいのビルで授業が再開されたとのことです。また、イスラエル軍に基地として使用された家では、兵士が使用したオムツが撒き散かされ、ソファーや洋服ダンスの中やいたるところに排便・放尿され、クッションは切り裂かれた、という話も聞きました。匂いが染み付き二度と住む気になれないそうです。イスラエル人は自分達が占領し苦しめてきたガザの人の家が、自分達の家よりもきれいなことを妬んでいるから、と言います。実際、イスラエル軍が基地として占拠する家は、見晴らしが良い高台に建てられた比較的豪華な家が多いようです。また、パレスチナ人は家をとても大切にし、特に応接間は家具や内装にこだわるのです。

何のための侵攻だったのかを問う声も多いです。何のために、民間人を殺傷し、侮辱しなければならないの?そんなことをしても誰もイスラエルの言いなりにはならない。もしハマスを根こそぎにしたいのなら、今まで何度もしてきたように幹部の暗殺や、隠れた家や地下を狙うのは簡単なはず。情報提供者がたくさんいるんだから、と。同時にイスラエル社会にも悪影響があるはず、と言う。ガザでこんな酷いことをしておいて、週末にイスラエルの自分の家に戻って、汚れた手で子供を抱いたり、何もなかったように家族と振舞えるはずがない。兵役でおかしくなるから、終わるとアジアに放浪しにいくんでしょ、と。

そして、何よりも、酷く屈辱的で意味のない攻撃をしたイスラエルへの不信が募っています。かつて、ハマスもファタハにもうんざりしたときに、イスラエルの占領の方がまだましだったと思ったこともあったけど、それはあり得ないことがはっきりした、と何人もが言いました。イスラエルはパレスチナ人を人間としてみていない。彼らは私達との和平は望んでいない、というのがどうやら多くのガザの人々が出した結論のようでした。

執筆者

小林 和香子(パレスチナ現地代表)

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