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パレスチナ

ガザの情勢に対し現地NGOの動きも加速しています 11月9日からのガザ・イスラエル情勢について【2】

11月9日から続いているイスラエルからのガザ地区への攻撃は、16日現在も続いています。本日、JVCが東エルサレム事業を共に行っているパートナーNGOのパレスチナ医療救援協会(PMRS)から、下記のような声明が発表されました。これまでも、ガザは封鎖されて医療物資の搬入がままならず、ガザの医療システムは機能不全になっています。ガザでは、現在多くの一般市民が負傷し、更に医療物資が不足することが予想されています。これらの情報も見ながら、JVCでは今後の動きを検討しています。ガザではこういった医療物資の不足はすでに恒常的に存在し、そのためJVCは子どもの栄養失調予防事業を行ってきています。

関連情報:PMRSホームページ http://www.pmrs.ps/

パレスチナ医療救援協会(PMRS)声明

2012年11月16日

ガザ地区の人々を代表して国際社会に要請します。

パレスチナ医療救援協会(PMRS)は、封鎖下のガザ地区に対するイスラエルの大規模攻撃を受け、国際NGOと市民社会に対して、イスラエルにガザ地区の人々への攻撃をやめるように圧力をかけるとともに、ガザの160万の人々に緊急支援の手を差し伸べることを要請します。

ガザ地区は、160万人も住む世界で最も人口密度の高い場所として知られています。これほど多くの人々が密集して住む場所で、「軍事標的のみに」ピンポイント攻撃をしているというイスラエルの言い分は非現実的で、達成不可能です。

ガザ地区のPMRS理事であるアブディル・ハディ・アブ・クーサによると、「ガザの状況は極めて困難」で、「5分毎、10分毎に空爆が起きています。空からの攻撃がどこに着弾し、どこから来ているかも私たちには分かりません。普段は騒がしい道にも誰もいません」と述べています。

ガザ地区の保健省の報告によると、165種類以上の医薬品が著しく欠如しており、PMRSの全ての医療クリニックでも同様に医薬品が不足しています。

PMRSのガザ事務所代表であるアイドゥ・ヤギ医師は、「現在、負傷者は比較的対応できる数だが、負傷者がこの割合で増え続ければ、私たちの病院では対応できなくなるでしょう」 と述べています。国際NGOおよびPMRSは、地球規模の経済危機による国際社会からの寄付金の減少により、今回のガザ地区で起こっているような人道的危機に十分に対応できなくなっています。

イスラエルの軍事スポークスマン、ヨアブ・モルデハイ准将は、過去24時間にわたって行われたガザへの空爆は、今後の更なる軍事展開、「雲の柱作戦」の始まりに過ぎず、「全ての選択肢は開かれている」と発表しました。また、軍スポークスマンのツイッターでは、「必要があれば、イスラエル陸軍はガザの地上戦に備えて準備している」と発表されています。

「仮に、イスラエルの今回の作戦が本当にただの始まりに過ぎないのであれば、現在ガザ地区で起きている健康と人道に関する危機的状況は、明らかに危険レベルまでに悪化するでしょう」と、PMRSの事務局長マフムード・ブリゲースは言っています。ガザの医療システムは機能不全に陥っており、緊急援助を提供する国際NGOの能力不足とあわせて、この状況を悪化させることにもつながっています。

以上に鑑み、PMRSは、全ての国際NGOに対し、できるだけ早くガザ地区での緊急支援に資金と医療物資を提供することを要請します。

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(写真3枚:PMRSによるガザでの緊急支援の様子(2009年1月))

執筆者

金子 由佳、今野 泰三

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