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パレスチナ

ガザの人々の生活がますます脅かされています 11月9日からのガザ・イスラエル情勢について【3】

先日9日から続いているガザ地区への攻撃について、現在までにパレスチナ側に38人の死者(地元メディアによると、18日付では更に10人以上の死者の報告があります)、イスラエル側に3人の死者が出ています。15日(木)にはガザからイスラエルの文化・経済の都市テルアビブへのロケット攻撃があり、また16日(金)にはエルサレムから20キロ離れたグッシュ・エツィヨンへのロケット攻撃がありました。これを受けて、地元ニュースによると、イスラエル軍が7,5000人(18日現在では16,000人)の軍人をガザ侵攻に向けて招集、またガザを取り囲むように戦車の配置が進んでおり、ガザへの地上軍事侵攻が懸念されています。

一方、16日にエジプトの首相が、また17日にはチュニジアの外務大臣が連帯の意思表明のために相次いでガザを訪問しており、またガザを統治する事実上の政府「ハマース」のリーダー、ハニーヤ首相も、ヨルダン川西岸地区、周辺アラブ諸国へ向けた連帯の要請を繰り返ししています。また西岸各地でもガザ攻撃に対する抗議デモやストライキが発生していて、パレスチナ人への連帯が求められています。

今回は早い段階での停戦交渉の動きが見えますが、今後もガザからのイスラエル側への長距離ロケット攻撃が続くようであれば、イスラエルからのガザへの攻撃が激化することも十分考えられ、多くの死者・負傷者が出ることが懸念されています。

JVCは、引き続き今年度のガザ事業現地パートナーのNGO:人間の大地(AEI)のスタッフ、アマルや、かつて事業を共に行ってきたガザに住むパレスチナ人の友人たち、また知人通じて情報を収集していますが、現在のところ空爆は、空き地、農地に集中しているとのこと。人々は継続的に行われている空爆に怯えている状況ですが、2008年末から2009年初めに行われたガザ攻撃の時ほどの「壊滅的」な被害は出ていないとの見方もあります。

しかし、このような状況が続くことで、医療物資や食料の搬入が普段から滞っているガザの人々の生活が更に脅かされ、JVCが長年支援している子どもたちの栄養状況も、益々悪化することが強く懸念されています。また、イスラエル側の安息日である土曜が終われば、また状況が悪化することも予想されています。

JVCは引き続き双方向からの軍事攻撃を非難し、また必要に応じたこれまで実施してきた栄養失調予防の活動を続けるとともに、必要に応じて緊急支援の実施も検討していきます。

執筆者

金子 由佳

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