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パレスチナ

「ガザの子どもの栄養失調予防事業」 2013秋・報告とガザの近況

いつもご支援ありがとうございます。ガザでは今年4月から事業地を一新して、「子どもの栄養失調予防事業」が続いています。事業対象地域から選出された30人の女性たちがボランティアのアマチュア栄養士として育成され、各家庭を訪問しながらお母さんたちに栄養・育児カウンセリングを行ったり、子どもの栄養状態検査を行ったりしています。この活動を通じて、4月から現在まで1,099人の5歳以下の子どもに栄養状態検査を行い、1,351軒の家庭を新しく支援対象家庭として登録しました。またのべ2,984人の地域のお母さんたちが栄養教育セッションや調理実習に参加して、女性ボランティアと共に子どもの栄養改善に取り組んでいます。

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(栄養教育セッションに参加する女性たち)

ガザでは今年6月に起きたエジプト政変の影響を受け、エジプトからの物資搬入が途絶え、人々の日々の生活が苦しくなっています。特に燃料が大幅に不足しており、灌漑農業用の水汲みポンプや汚水処理用ポンプを稼働できない日が続き、野菜などの物価が高騰し、汚水が海に垂れ流されています。また電気が乏しいガザの人々にとっては生命線である家庭用発電機も稼働できずに、人々は真っ暗闇の中でろうそくに頼って生活しています。子どもたちは勉強もままなりませんし、ろうそくが原因の火事も度々起きています。そしてインフラを整備するための資材搬入も乏しいため、2万人以上の建設行従事者が一時的に失業しています。封鎖が続き人も物も行き来が出来ないガザでは、普段から失業率が高いですが(45%以上)、現在の状況は更にガザの人々を孤立させ、苦しめています。

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(女性ボランティアと金子)

10月6日から13日までガザに滞在した折には、一月ぶりにエジプトから燃料が届き、ガソリンスタンド前にはいくつも長蛇の列がありました。子どもの栄養失調予防事業も事業地へスタッフを送り込んだり、ボランティアを送り迎えしたりする車が必要ですが、わずかしか手に入らないイスラエル側の燃料を使用しなければならず(エジプト燃料の倍の値段で、1ℓあたり6.3シェケル:約170円以上)、限られた事業資金がひっ迫しています。引き続きガザの人々へのご支援をよろしくお願いいたします。

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(ガソリンスタンド前の車の列)

執筆者

金子 由佳

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