REPORT

パレスチナ

憎しみと暴力の連鎖を断ち切るために、ガザ内部へ或いは外部への無差別空爆に強く反対し、一般市民を巻き込んだ交戦をやめるよう求めています。

6月30日にユダヤ人入植者3名の遺体が発見され、それへの報復としてパレスチナ人少年が拷問の末に殺された7月2日の事件に端を発し、現在パレスチナ/イスラエルの情勢は急速に悪化しています。

東エルサレムでは、シャアファートと呼ばれる一部エリアなどが現在も封鎖され、投石するパレスチナ人とそれに実弾や催涙弾で応戦するイスラエル警察・軍の衝突が続いています。これにより少なくとも6人のパレスチナ人が死亡、200人以上が負傷したと報じられています。

一方ガザ地区では、ユダヤ人誘拐事件がハマースによるものとの見方から(その証拠はいまだ公表されていません)、ガザの実質的政府であるハマースの関連施設へのイスラエルによる空爆が増加し、ガザ地区内の武装グループからの反撃も開始されました。本日7月8日、イスラエル軍はガザ地区内のパレスチナ人民家への空爆も開始しました。

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ガザ市内で空爆された家屋 7月8日、Ashraf Amra safaimages

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ガザ市内での空爆の様子 7月7日、Alquds News Network

これらの空爆により、少なくとも15名のパレスチナ人が死亡し、負傷者には4歳の男の子も含まれると報じられています。

JVCは、今回の一連の暴力行為を非難するとともに、一般市民を巻き込んだ空爆を直ちにやめるよう強く求めます。

下記は、JVC事業で関わっているガザ地区の人々からのメッセージです。
日本語訳と共に、英語の原文もそのまま掲載します。

7月7日(月)JVCのプロジェクト関係者より
「今起きている事は、悲しくて痛々しいことです。しかし、もっとひどいことは、この事態について、世界がパレスチナ人の血が「安い」ために、片目をつむっていることです。 私自身、泣かないように我慢することで精いっぱいです。一度泣いてしまうと、決して止められなくなってしまうから。」
(【原文】"it is sad and painful what is happening here and what is worse is that the world is watching without a blink of an eye because to them Palestinian blood is so cheap, I am trying to stop myself from crying because I will not be able to stop if I start.")


7月7日(月)ガザ在住、3人の子の母より
「私の子どもが夜に眠れないでいます。イスラエルからの爆撃のせいです。イスラエルは私たちに「死」を願っているけど、私と子どもたちには安全な生活が必要です。」
(【原文】"I can tell you that my child could not sleep all the night because of the Israeli pumps in Gaza .we need safety life to our children while they want the death for us.")


7月8日(火)金子友人より
「(さきほどからイスラエル軍が)民家を爆撃しています。彼らは狂ったようで、ニュースでも状況が良くないと言っています。」
「ガザの人々はテロリストではありません。このような望ましくない状況に追い込まれているだけです。私たちは、命と平和を愛し、それらが(他の人と同じように)守られることを望んでいます。」
(【原文】"bombing houses!" "they went crazy ... the news now are not good" "we will appreciate their support to solve this situation... gaza people are not terrorists they are forced to unpleasant situation.. we love life and peace and we need help to find them")

執筆者

金子 由佳 (パレスチナ現地代表)

2011年、国際政治学部・紛争予防及び平和学専攻でオーストラリアクイーンズランド大学大学院を卒業。直後にパレスチナを訪れ、現地NGOの活動にボランティアとして参加。一ヶ月のヨルダン川西岸地区での生活を通じ、パレスチナ人が直面する苦難を目の当たりにする。イスラエルによる占領状況を黙認する国際社会と、一方で援助を続ける国際社会の矛盾に疑問をもち、国境を越えた市民同士の連帯と、アドボカシー活動の重要性を感じている。2012年6月よりJVC勤務。同年8月より現地調整員ガザ事業担当としてパレスチナに赴任。JVCのプロジェクトを通じて、苦難に直面する人々と連帯し、その時間・経験を日本社会と共有したい。

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