REPORT

パレスチナ

事業パートナー・アマルの「ガザ終戦」

こんにちは、パレスチナ事業担当の並木です。

JVCのプロジェクトを運営する仲間として知り合い、今では友人として付き合っているガザの人たちを、先日のパレスチナ出張で訪ねることができました。みんなが無事かどうか、毎日気が気ではなかった2014年夏の戦争から、8ヶ月も経過していました。

ハグした瞬間に相手の体温と重みを感じ、思わず泣いてしまった私を見て、「泣かないで」「繊細なのねぇ」と笑っていた友人たち。誰かが一つボタンを掛け違えていたら、もう一日戦争が長引いていたら、この人たちの笑顔には二度と会えなかったかもしれない......と思うと、彼らに触れられることは本当に奇跡のようでした。

「こうやってガザに来られて、あなたたちにまた会えるなんて、今もまだ信じられない」と口にした私に、プロジェクト・コーディネーターのアマルは穏やかな顔で言いました。
「不可能なことは何もないのよ、来てくれて本当に嬉しいわ」

プロジェクトの視察に向かう車の中で、アマルは戦争後のことや、壊された家を建て直しながら送る自分の生活のことを話してくれました。彼女の言葉の中で一番ずしりと心に響いたのは、彼女が何気なくつぶやいた、こんな言葉でした。

「ガザにユカ(JVCガザ事業担当の金子)が来てくれたとき、私の戦争が終わったの。彼女の顔を見たときに、"戦争が終わった"と感じたのよ。"これで全て日常に戻るんだ"って、やっと思うことができたの」

ガザ戦争の間、ガザ事業担当の金子をはじめ、多くの人たちが日本で行動を起こしながらも「戦争を直ちに止められない」無力感に苛まれていたのを、私は知っています。

そんな私たち外国人でも、ガザの人たちの心の支えになることができるのかもしれない......ガザに向き合い続けてきた金子が、彼女の親友であり同僚であるアマルの心の支えになっていた事実は、微かな希望を感じさせてくれました。そして今、ガザに住むアマルと揺るぎない信頼関係を築き上げた彼女と、一緒に働けていることが、本当に誇らしく幸せなことだと改めて感じました。

ガザの人たちが人間らしい豊かな人生を送るために、遠くの国に住み別の国籍をもつ私たちにも、まだ出来ることがあるように思います。日本とパレスチナを行き来しながら、その方法を探し続け実践していきたい......心から、改めて思っています。

執筆者

並木 麻衣

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