REPORT

パレスチナ

パレスチナを支援するイスラエルのNGO: 3)ICAHD:The Israeli Committee Against House Demolitions

長らくお待たせしました、イスラエルのパレスチナ支援NGO紹介の第三弾です。


(団体ウェブサイトより)

団体の概要・活動内容

ICAHD(The Israeli Committee Against House Demolitions)は、イスラエルの占領体制に対して、非暴力・直接行為で抵抗をする団体です。主にパレスチナ人家屋の破壊に対する反対・家屋の再建といった活動を行っており、これまでに189戸の家屋を再建しました。

ICAHDは1997年、8人のイスラエル人平和活動家によって設立されました。 現在は家屋破壊への抵抗・再建をはじめ、土地の接収、バイパス道路の建設、入植地の拡大、果物やオリーブの木の破壊などに抵抗する活動を幅広く行っています。

家屋の再建には建設する家の家族のほか、ヨーロッパ等からのボランティアが多く参加しています。彼らボランティアが活動を通じて、紛争を「外から眺めている」立場から、「現場で起こっていることとして感じられるようになる」状態へと変化することも、イスラエルの占領を終わらせるためにとても重要なことだとICAHDは考えています。

パレスチナ人家屋の破壊とは?

占領下にあるパレスチナでは、家屋を建てる際にイスラエル政府の許可が必要になります。しかし政府はその建設許可をなかなか出しません。パレスチナ人が許可をもらえないまま家屋を建てると、それは許可なしの「違法」建築物として、イスラエルに取り壊されてしまうことが多々あります。


(同団体ウェブサイトより)

これまでの説明からもわかる通り、ICAHDはイスラエルの占領活動に全面的に反対という姿勢をとっています。そのため、国内・国際社会の両方で、政策変更の働きかけを行っています。また、今後はこの働きかけをさらに活性化させるため、ウェブサイトで外交官や政策決定者といった人々に対し、英語やヘブライ語で包括的な情報提供を行う予定です。

また、ICAHDはイスラエル製品ボイコット運動(BDS)を支持しています。これは占領を終わらせるために国際的な圧力が不可欠だという考えに基づいていますが、イスラエルのNGOとしては珍しい特徴であると言えます。

スタディーツアー

当団体は一年を通してスタディツアープログラムを開催しています。ツアーに参加をすると、伝統的な観光地だけでなく、パレスチナとイスラエルが置かれている政治の現実を知ることができる場所を訪問し、両者が隔てられている状況を目の当たりにすることができます。また、団体スタッフや他の主要なリーダーと会い、生の深い知識や最新の分析も入手することができます。また、希望すればパレスチナ人に会って彼らの話を聞くことも可能です。


(同団体ウェブサイトより)

参考リンク

・ICAHD(The Israeli Committee Against House Demolitions)ウェブサイト
・ICAHD(The Israeli Committee Against House Demolitions)Facebookページ

(セキュリティー上の問題でアクセスできない場合がございます。)
※本記事は現地事務所の元インターン・小寺さんを中心とした聞き取り調査に基づいて作成しています。

取材
・小寺愛(元パレスチナ現地インターン)
・金子由佳(パレスチナ現地代表)

編集
・大室奈津美(パレスチナ事業インターン)
・山本千博(パレスチナ事業専属ボランティア)
・山村順子(パレスチナ事業担当)

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