南アフリカでの菜園づくり活動
皆さん、こんにちは!2023年度JVCインターン生のターナー・アリシアです。
今回のレポートでは、南アフリカの現地スタッフのドゥドゥさんに聞き取った、菜園づくり活動の進捗状況をご報告したいと思います。ご興味のある方は、スカウトとカッブプログラム、ケアボランティア・保護者のケアの質を向上させる訓練についても、追ってレポートをお届けいたしますので、進捗報告を是非ご覧ください!
JVCは、「子どものケアを中心として南アフリカの社会的な悪循環を変えたい」という思いから設立された、リンポポ州の「Drop-In Center」(DIC、こどもケアセンター)という団体と連携しています。リンポポ州は、南アフリカの中でも特に医療・教育ケアの面で、取り残されている人々が多いとされる州です。その中でDICは、5−24歳の孤児・脆弱な青少年を対象とし、将来困難に直面しても生きていくための道を自ら切り開く力をもてるように、ライフスキル、性教育や社会教育等を提供する団体です。
このビジョンを達成できるよう、JVCはケアボランティアと保護者のケアの質を向上させるための訓練、スカウト活動、カッブプログラムと菜園づくりを含む、様々な啓発活動を行っています。
DICは、数年前に菜園づくり活動を開始しました。この活動の中では、子どもたちが毎日、ケアボランティアの指導で菜園の手入れに参加して、毎週木曜日に菜園維持管理を学びます。栽培した様々な野菜は子どもたちの給食として提供され、個々の子どもの家庭にも持って帰ることもあります。DICが提供する給食は、子どもたちの一日で唯一の食事となる可能性が高いので、菜園の継続は大変重要だと認識されています。
(給食を準備しているケアボランティア)
(昼ごはんを楽しんでいる子ども達)
しかし、COVID-19感染症拡大の影響を受けるなか、DICは菜園だけでなくDIC全体の閉鎖を余儀なくされました。学校の閉鎖や保護者の突然の失業と相まって、子どもたちの状態が懸念されていました。
そこで、子どもたちの健康と安全が確認できるよう、ケアボランティアは働き続け、40名の子どもに毎月1−2回の家庭訪問を実施していました。訪問を行う中で、すぐに明らかになったことは、子どもたちの食料へのアクセスが不安定であることでした。
(デュデュさんがマナリ家庭に訪問)
この問題を解消するため、緊急食料・衛生用品配布支援が行われました。配られた食料は主食のメイズ粉、油、塩、砂糖等に加え、冷蔵庫がない家庭も多いため、魚や野菜の缶詰、乾燥豆等でした。石鹸、歯磨き、洗剤とマスクも配布していました。
(緊急食料・衛生用品配布支援の準備)
(配布支援をいただいた家庭)
COVID-19感染症のような現象が、どれほど人々の暮らしを脅かすか、その問題の大きさが確認され、子どもたちの安全を確保するため菜園づくり活動の重要性が改めて明らかになりました。最終的に、菜園づくり活動のキーポイントは、菜園の維持管理の研修を通じて得た「ライフスキル」そのものです。DICの希望は、子どもたちにとってこの学びと実習が、自分で食べものを得たり自分と家庭をサポートしたりするための、一生涯忘れない知識となることです。
なお、DICが閉鎖されていた間、ケアボランティアは子どもたちが自宅の敷地で菜園を作るのを指導して、それを維持するための研修も行いました。いくつかのケースでは、保護者も研修に参加して、家庭内の絆を築く機会にもなりました。
2022年5月初旬には、DICの敷地内の菜園が再開されました。
(DIC敷地の菜園をお手入れくださっている子ども達)
45名の子どもたちを対象にあらためて菜園づくりの基礎研修を実施し、畑のデザイン、マルチング等の方法を学びました。青少年らが主体となって管理する菜園(8畝)を作り、トマト、からし菜、キャベツ、タマネギ、ピーマンの栽培を開始しました。6月初旬には、堆肥(コンポスト)の作り方に関する研修を実施し、維持管理方法も伝えました。
(子ども達が育てたキャベツとたまねぎ)
研修には、日によって20−50名の青少年が参加しており、DICの青少年の半分ほどだけが興味があると報告されました。DICは、子どもたちの全員が菜園づくりの大切さが理解し、参加人数が増えていくように、ケアボランティアが菜園への関心を継続させるように心がけて、水タンクの設置等、菜園づくり活動をさらに発展させる活動も実施しています。
(DIC敷地の菜園をお手入れくださっている子ども)
スカウトとカッブプログラム、子ども達のケアの質向上研修の進捗報告記事も順次掲載していきますので、是非ご覧ください!
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