ラオス・新事業地で生まれた嬉しい変化〈夏募金リレー2023 #5〉
いつもJVCを応援していただき、ありがとうございます。
広報グループの大村です。
JVCは現在、夏の募金キャンペーンをおこなっています。
これまで4回、JVCスタッフの想いやお届けしたいエピソードを、〈夏募金リレー2023〉と題してお届けしてきました。
(9/5追記:9月限定で寄付額2倍キャンペーンを実施中です。詳細はこちら)
第一弾:「自分は退避できる」けれども・・・
第二弾:学校に行っていないのは、誰の意思でしょうか
第三弾:たった一度会っただけの人からの電話
第四弾:この写真を選んだ理由
5回目となる今回は、ラオス事業を担当する後藤が、2月の出張で見た、ラオスの新事業地の様子をお届けします!
いつもあたたかいご支援ありがとうございます。
ラオス事業担当の後藤です。
ラオス事業は2022年に活動地をセコン県に移し、共有資源管理の活動をしています。
活動地のセコンは、ラオス国内でもっとも貧しい県の一つですが、近年、開発が進み、企業によるゴムなどのプランテーションや、住民によるキャッサバ(タピオカの原料になる芋)などの換金作物の栽培が広がっています。
プランテーションによって十分な補償もされずに土地を奪われたり、住民共有の森が減っていたりする中で、社会主義国のラオスでは、不十分な補償に抵抗し声をあげた住民が逮捕されることもあります。
行き過ぎた開発は、自然の恵みとともにある住民の暮らしを置き去りにしています。
(村のゴムプランテーション)
2023年の2月に、セコンを訪れました。
村の中には、村域の約半分が企業によるゴムプランテーションになっている村もありました。「多くの住民がゴムプランテーションと、キャッサバ栽培での労働で疲弊している」との声も聞かれました。
ゴムプランテーションは過酷な労働で、労働搾取といった問題も起こっています。また、キャッサバ栽培は成長が早い分、土壌への影響もあり、栽培を続けると土壌の栄養がなくなり収穫量も減っていくため、長い目で見ると安定した収入は得られなくなります。
(キャッサバ畑)
話を聞いた村長はそういった現状を憂いながらも、
「目の前の生活と現金収入のためには致し方ない部分がある」
「村の将来を考えると不安で夜も眠れない」
と、私たちに話してくれました。
自然と共存した暮らしをしている住民にとって、共有資源は暮らしの大切な基盤です。JVCの支援では村が直面している問題にたいして、村の皆さんが自ら共有資源を守り、維持・管理できるようなサポートを始めています。
未来の資源を守っていくために、魚が繁殖するポイントを「魚保護地区」として登録し、共有資源の利用規約をつくり管理を始めた村では、設置した後もルール違反がないか、住民が自らパトロールを実施することとなりました。話し合いのなかで、パトロールに女性も参加することになりましたが、ある女性は「私は文字も読めないし、夫は私が一人で出歩くことをよく思わないかもしれない」とパトロールに参加することに消極的でした。
同席していたJVCのスタッフが「女性も村の一員です。村全体で取り組むことが一番重要なこと。文字が読めなくても、お互い足りないことは助け合おう」と伝えたところ、「頑張ってみる」と、最後はパトロールに参加することを決断していました。
(魚保護地区の候補地について説明する住民)
その後、この村では、魚保護地区を設置したことにより、企業からきた土砂採掘事業の話を村が断り、「自分たちで川を守る」という素晴らしい事例が生まれました。
話し合いの場やきっかけをつくり知識や方法を伝えることで、少しずつ新しい活動地でも、良い変化が生まれています。これからも、現地の方々に寄り添いながら、ともに変化を起こしていきたいと思います。
(魚保護地区設置式典)
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