終了事業:南相馬市の仮設住宅で入居者が集うサロンを運営
※2018年度末をもって、東日本大震災関連の活動はすべて終了しております。多大なご支援をいただきましてありがとうございました。
日本国際ボランティアセンター(JVC)は2012年1月より福島県南相馬市の仮設住宅において、入居者が集うサロンの支援を開始しました。長引く仮設住宅での暮らしを心身両面で支えていきます。
(サロンは住民の憩いの場になっています。)
津波と原発事故の複合的な被害を受けた南相馬市。原発事故によって警戒区域に指定された地域や、津波の被害を受けた地域から避難した約2000世帯の人々が仮設住宅で生活を送っています。
仮設住宅では高齢の方が多く、部屋に閉じこもりがちになることによる心身の健康悪化が懸念されています。
「仮設住宅に知り合いが少ない」「家族以外が入れる部屋がない」といった状況に加え、寒さが深まるごとに部屋の外へ出たり人と交流したりする機会が減っています。特に高齢の男性においてこの傾向が顕著です
(手狭な仮設住宅での生活は決して楽ではありません)
そこでJVCは地元の団体「つながっぺ南相馬」と「やっぺ南相馬」と協力し、仮設住宅の入居者が集う「サロン」の運営を始めました。週6日地元のスタッフが常駐し、お茶やマッサージチェアのサービスを提供。仮設住宅の入居者が交流を深めながら心身の健康を改善させられる場になればと考えています。こたつでお茶を飲みながらおしゃべりをする人、民謡を歌う人、笑顔で手拍子をとる人。部屋に閉じこもりがちだった男性もマッサージチェア目当てで訪れます。
「震災以来、歌ったのは久しぶりだよ」
「これからはここで編み物をしようかな。ありがたいよ」
開所日の様子は地元の新聞にも取り上げられました。現在では南相馬市の6ヶ所の仮設住宅で活動を行っています。
(相馬地方は民謡の宝庫。JVCの支援で民謡教室を行っています。)
この活動の提案者である今野由喜さん(写真左側:つながっぺ南相馬代表)は、自宅のある南相馬市小高区で震災に遭いました。運転中に津波に襲われ、顔まで水に浸かった状態で救助隊に助けられたと語ります。「自分の人生はあの時に一度終わったようなもの。これからは何か人のためになることをしようと思ったんです」。津波で流出した自宅があった小高区は警戒区域に指定され、いまだ戻ることはできません。今野さんは得意の無線技術を活かして5月から南相馬災害エフエム(現ひばりエフエム)の技術スタッフとしてラジオ局に参加。その後小高区出身者が多く暮らす仮設住宅の現状に触れ、ラジオ局駐在のJVCスタッフと共にサロン支援を開始しました。
津波の被害は甚大で都市計画から始めるため復旧復興に時間がかかります。また、原発事故により放射能に強く汚染された地域も、数年以上の長期にわたって故郷に戻れないことが想定されます。JVCは、長引く仮設住宅での暮らしをサロンを通して心身両面で支えていきます。
(サロンで開かれた新年会の様子)
週6日、朝9時30分から夕方4時30分まで
(全て無料で利用可能)
(老若男女楽しめる輪投げが人気です。)
各仮設住宅自治会
特定非営利活動法人 つながっペ南相馬
日本国際ボランティアセンター(JVC)
日々の動きは「南相馬日記」をご覧ください。
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