終了事業:気仙沼市鹿折地区での生活再建支援
2018年度末をもって、東日本大震災関連の活動はすべて終了しております。多大なご支援をいただきましてありがとうございました。
JVCは2011年8月、気仙沼市内に事務所を開設し、鹿折(ししおり)地区、特に四ヶ浜(しかはま)という地域で、復興支援活動を継続しました。
(土地のかさ上げ工事が進む気仙沼市鹿折地区市街地)
気仙沼市の鹿折地区は、美しい海と豊かな森に囲まれています。かつての鹿折地区は、市街地には商店や水産加工場が集まり、沿岸部には住宅が立ち並んでいました。しかし、今回の震災による津波と火災のために、この地区は甚大な被害を受けました。現在、鹿折地区では、住居や商店街などを新たに建設するため、土地区画整理事業による大規模なかさ上げが進められています。一方、住民によって組織された「鹿折まちづくり協議会」が中心となり、鹿折地区の将来のあり方に関する協議が行われるなど、地域の再生に向けた住民主体の活動が進められています。
(鹿折地区の市街地および沿岸部)
(かさ上げに伴う移転が予定されている仮設商店街「気仙沼鹿折復幸マルシェ」)
鹿折地区・四ヶ浜地域は、別名浦島地区と呼ばれ、大浦(おおうら)・小々汐(こごしお)・梶ヶ浦(かじがうら)・鶴ヶ浦(つるがうら)という四つの集落で構成されています。この地域で昔から営まれてきた牡蠣、帆立貝、ワカメ、コンブの養殖業は、津波によって甚大な被害を受けましたが、震災後多くの養殖業者が生業の再開を果たしてきました。今回の震災の影響により、約230世帯であった人口はおよそ70世帯にまで減少し、未だ多くの住民が集落を離れ、仮設住宅や民間の借り上げ住宅(いわゆる「みなし仮設」)などでの生活を余儀なくされています。
(帆立貝の養殖業を再開した住民)
震災から3年が経過した今、住民が長引く仮設住宅での暮らしを乗り越え、生活の基盤を取り戻すための支援がますます必要となっています。一方、震災の影響によって地域の高齢化や後継者不足は一層進行しており、これらの課題に対する住民の取り組みをサポートすることもあわせて重要です。JVCは、住民一人一人に寄り添いながら、その生活再建と活気ある地域づくりを支える活動を実施していきます。
【活動1】 生活再建を支える
【活動2】 地域づくりを支える
【活動3】 「仮の暮らし」を支える
四ヶ浜地域の大浦・小々汐・梶ヶ浦で進められている防災集団移転事業(いわゆる高台移転)・災害公営住宅整備事業は、住民協議会の意向を反映した造成設計に基づいた工事が進行しています。しかしながら、造成工事が予定通りに完了したとしても、建設業者や資材の不足などにより、住民が住宅再建に直ちには着手できない恐れがあります。JVCは今年度も引き続き、住民協議会に対して専門家をアドバイザーとして派遣し、すみやかな住宅再建と暮らしやすい高台団地の形成をサポートしていきます。
(模型を見ながらアドバイザーとともに協議する住民)
2013年4月、活気ある地域の実現を目指して「浦島地区振興会」(※)が発足し、JVCもサポーターとして振興会に参画しました。JVCは振興会とともに、四ヶ浜の地域づくりを見据えた旧浦島小学校の施設利用の検討や、養殖業などの地域資源を生かした事業を実施していきます。また、住民間交流の活性化を目的として、震災以降中断していた四ヶ浜の一大行事である集落対抗運動会の復活に向けた取り組みを進めていきます。
(※)...「浦島地区振興会」は、施設利用部、地域資源開発部、環境・文化部の三つの部会から成り、各集落の自治会を含む14の団体で構成されています。
(旧浦島小学校の施設利用等に関するセミナーで行われたワークショップ)
長期化する仮設住宅での暮らしを支えるために、入居者の心身の健康維持を図る活動を行っていきます。また、仮設住宅において住みよい環境を整えていくために、各仮設住宅における自治会(親睦会)または住民自治の体制を支える活動を実施していきます。仮設住宅退去後、鹿折地区に建設される災害公営住宅への入居を希望している住民がいます。互いに面識のない世帯が災害公営住宅に集まることにより、入居者の間で孤立が生じることが懸念されています。災害公営住宅におけるコミュニティ形成がスムーズに行われるよう、入居予定者を対象とした交流の場づくりを行っていきます。
一方、集落に留まり自宅で生活を続ける住民が孤立することがないよう、定期的な訪問活動と自宅生活者が集う場づくりを実施していきます。
(将来の「ご近所さん」の顔合わせ)
(自宅生活者の交流の場づくり)
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