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ミャンマー

【緊急支援ご協力のお願い】 ビルマ/ミャンマー中部大地震

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2025年3月28日、ミャンマー中部でマグニチュード7.7の大地震が発生しました。この地震は、近隣のマンダレー地域を含む広範囲にわたって大きな被害をもたらし、4月23日時点で犠牲者は3,700人を超えています*1。

国内では47,000棟以上の家屋や2,500棟以上のビルを含む建物、そして病院などの主要インフラにも深刻な被害が出ていますが、被害の全貌はいまだ明らかになっていません。

ユニセフ=国連児童基金は、4月20日、現地では多くの人たちが現在も、屋外での不自由な生活を余儀なくされており、630万人が緊急の保護と支援を必要としているとして、国際社会に対し継続的な支援を求めています。

*1  ASEAN防災人道支援調整センター(2025/04/23)
https://ahacentre.org/situation-update/situation-update-no-10-m7-7-mandalay-earthquake-23-april-2025/

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被災した建物の様子

度重なる災害と政情不安の中で

ビルマ/ミャンマーでは、COVID-19の影響に加えて、2021年の軍事クーデター以降も軍による弾圧や武力衝突が続いています。さらに、近年はサイクロンや洪水といった自然災害も頻発しており、今回の地震はそのような脆弱な状況下で発生しました。

避難生活を強いられている人々の生活環境は非常に厳しく、食料や生活必需品、水、医療サービスが深刻に不足しています。5月上旬ごろから始まる雨季には、感染症の流行も懸念されます。

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避難キャンプの様子

JVCの対応:現地と連携した支援を開始

JVCはこれまで、他のNGOと協働してビルマ/ミャンマーと日本のかかわりについての情報発信・提言活動に取り組んできました。

今回現地で起きたこの非常事態に対応するため、地震被害対応タスクチームを立ち上げ、JVCとつながりを持つビルマ/ミャンマー籍の方々への現地の被害状況や支援活動の進捗についてのヒアリングや、現地情勢に通じているNGOなどとの状況共有などを行ってきました。それらもふまえて、支援物資が軍の権力強化に利用されることなく必要とする人々に確実に届くこと、現地での悪影響を及ぼさないことなどにも配慮して議論を重ね、緊急支援実施の体制を整えました。

軍による妨害にも注意しつつ、連携機関はすでに被災地域とのネットワークを活かし、支援物資の配布を行っています。現在も、多くの被災地域で、飲み水、コメ、魚缶、干物、ブルーシート、テント、乳幼児必要品、衛生用品などが必要とされています。

*現在の厳しい政治状況を踏まえ、JVCでは連携機関名や個人名、活動地の詳細についてお伝えできないことを心苦しく思っておりますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

支援を必要とする人々に確実に届けるために

JVCでは、命と健康を守る「緊急期」、そして命の危険が過ぎたあとの避難生活を支える「応急期」の支援が極めて重要であると考えており、現地の連携機関と協力して支援を進めていきます。

この活動を継続・拡大していくためには、皆さまのご協力が必要です。被災された方々の命と暮らしを守るため、ぜひ緊急支援へのご協力をお願いいたします。

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※ご寄付の10%は管理費に充てさせていただきます。
※万一資金が余った場合にはJVCが実施するビルマ/ミャンマーを含む調査研究・政策提言活の活動費に充てさせていただきます。

この国の呼称について:JVCが「ビルマ/ミャンマー」と呼ぶ理由

独立以来、国際的には英語名称の「ビルマ」(Burma)が国名として定着していましたが、1988年のクーデターにより権力を握った軍部が英語国名を「ミャンマー」(Myanmar)に変更しました。その後「民政移管」やNLD政権誕生という変化はあったものの、軍は強い権限を持ち続け、民主化という意味では限定的でした。そして今回の軍事クーデターが起きました。軍政に反対し民主的に選ばれた人々を支持する立場から、(軍が命名した)「ミャンマー」ではなく、「ビルマ」と呼び続ける意味があると考えます。
その一方で、「ミャンマー」の呼称が既に30年を経て定着しており、日本でも世代によっては「ビルマ」の名称に馴染みが薄い人が多い現状を考えれば、「ミャンマー」の名称を外すことも現実的ではありません。将来的にこの国が民主化され正当な政府が誕生した時に、国名として「ミャンマー」が採用されるかも知れません。また、ビルマ語において「ビルマ」と「ミャンマー」には前者が口語、後者が文語である以外に意味上の差異はないため、ビルマ語の国名は1948年の独立時からずっと「ミャンマー」(文語)だったということができます。そうした観点から、「ビルマ」の名称だけにこだわるのではなく「ミャンマー」と併記をしています。

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