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冒頭の写真は、イエメンのタイズ県にある子ども広場であそぶ子どもたち。
無邪気にあそぶ子どもたちのどこにでもある微笑ましい光景に見えるかもしれません。
しかし、紛争に巻き込まれて避難生活を送るこの子たちにとって、
こんなふうに友達とともに笑いあう時間は、あたりまえではありません。
JVCは、子ども広場の設置・運営支援を通して紛争の影響を受けるイエメンの子どもたちが
子どもらしく過ごす時間を取り戻せるよう活動をしています。
しかしイエメンは、国際社会から注目されることもなく、「忘れられた紛争」が続いている場所でもあります。
街を歩けば、そのまま残る空爆の跡、不衛生なテントに密集した避難民、カラシニコフをぶらさげて立つ兵士たち、物乞いをする女性や子ども…。大きな犠牲を強いられている人々の姿が見られます。
特に犠牲になっているのが子どもたちです。
ユニセフ(国際連合児童基金)は「イエメンは依然として子どもにとって最悪の場所のひとつ」と表現しています。980万人が支援を必要とし、480万人以上が不就学*1と、大きな問題を抱えているのです。
(*1 ユニセフ(国連児童基金) 2024年)
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「子ども広場」は、「Child Friendly Space」(子どもにやさしいスペース)とも呼ばれます。お絵描きやゲーム・読み聞かせなどを行い、子どもたちの遊びや学習の機会をつくる場です。紛争の中で家を追われ厳しい環境におかれた子どもたちが、子どもらしく過ごす中で自尊心や感情を培うことを目指しています。保護者や地域の人々・NGOとも協働し、子どもたちをケアするコミュニティを創る場ともなります。
子ども広場に通ってくる子は、紛争の影響で家を離れざるをえなくなった5~10歳くらいの子どもたち。息子のハムダーン君が通っているというムティーア・アブドゥさんは「荷物を背負って歩いてここまで逃げてきた。仕事がないので、歩いて1時間半かかる市場でその日出来る仕事を探している。食糧支援も多くはないし、なんとか稼がないといけない。広場は安心できる場所で、3人の子ども全員が通ってる。4歳のハムダーンも大好きなトランポリンで毎日足が痛くなるまでたくさん遊んでいるよ。」と語ってくれました。
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将来につながる持続的な支援を
イエメンでのJVCのプロジェクトは、2回に渡る現地調査の際に現地から出てきた「生きていくために必要な食料などの緊急支援だけでなく、将来につながる持続的な支援を」という意見から生まれました。
パートナー団体としてともに活動を進める「Nahda Makers Organization(NMO)」のスタッフも「支援が入るときは形が決まっていることが多いが、この活動は現場の意見・ニーズに基づいてやっているので、避難民から感謝されることが多い」と意欲的に取り組んでいます。
外国人がここまで来たことはない!?山奥にある活動地
暫定政権の臨時首都アデンから最寄りの街タイズまで7時間、そこから車で山道を進むこと2時間。子ども広場は、支援の手の届きづらい、険しい山間部にある避難民の居住地域で展開しています。
私たちが訪れた際、NMOのスタッフは「知る限り、紛争後に外国人がここまで来たことはない」と話し、とても喜んでくれました。また、この活動が始まったことがきっかけで別の支援も入ってくるようになったそうです。
地域の方に支えられている子ども広場の活動
20歳のアヤさんは高校生。自身も避難民であり、今も自分の勉強を続けながら、コミュニティに貢献したいとファシリテーターとして子ども広場を手伝ってくれています。「子ども広場に通うようになって、子どもたちが自分の気持ちを表現してくれるようになったの」と嬉しそうに話すアヤさん。
子ども広場は、アヤさんのほかにも、自身も避難民でありながら人の役に立ちたいという多くの方々に支えられています。
「忘れられた紛争」として国際社会から見過ごされてきたイエメンの人々。私たちだからこそできることとして、支援が届きづらい人をサポートしたい。そんな思いでJVCは現地の人々の声に耳を傾けながら、物資配布等の緊急支援ではなく人びとが「自分たちの生活を取り戻す」ための活動を模索してきました。
資金確保が難しい状況ではありますが、歩みを止めず支援を続けていくことが求められています。
イエメン事業をはじめ、人びとが「自分たちの生活を取り戻す」ために、現地に寄り添うJVCだからこそできる活動を皆さまとともにつくりあげていきたいと思います。
ぜひ、応援してください。
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